ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

黄色いリボンの大きな可能性

私がこのサイトで最近、何度かエントリしているように、昨今の残念な事件は、被害者の方々はもちろんのこと、保護者や地域の方々に大きな不安をもたらしていると同時に、子供たちの安全確保という観点で様々な取組みが、再考され、今も実施されています。

防犯ブザーや防犯カメラ、センサーの設置、そして地域の方々による登下校の立ち番、見回りなど、今、全国各地で行われているでしょう。私の自宅前はちょうど子供たちの通学路になるのですが、警察の方が定期的に見まわりされたりと、子供を持つ親として、現実を直視せざるを得ない状況にもあります。

私は京都に在住しているのですが、恐らく京都の地元新聞のみ報道されている内容で、かつ私としても素晴らしいなと直感した取組みをご紹介します。

具体名は、もう列挙しませんが、京都は過去にも小学校などにおいて様々なつらい事件が発生しています。そして、過日の事件。小学生はともかく、中学生にもなれば、様々な報道やご両親からの話などから、不安はもちろんのこと様々な思いを抱いたはず。小学生の弟や妹がいる中学生は他人事では無いと思ったかもしれません。

京都のある中学校の話です。本来なら学校名をご紹介したいのですが、この中学校のサイトに今回の取組みについて掲載されていなかったため、今回はご容赦下さい。

発端は今年11月のPTAによるものだそうですが、この中学校の学生さんは「黄色いリボン」を胸につけて登下校されています。報道では全校生徒の半数が「黄色いリボン」を付けるという取組みに参加しているとのこと。

実は、この中学校の生徒会が、「自分達の登下校の途中で出会う小学生を見守ろう」と考え、「黄色いリボン」を用意したのです。「黄色いリボンを付けているお兄さん、お姉さんは、みんなを見守っているんだよ、安心してね。」というメッセージが込められていると共に、実際に登下校で小学生にやさしく声をかけているのかもしれません。

ここからは、性善説で書いていきます。

もちろん、地域の方々が見まわりや立ち番されることに異論はありません。そして警察の方々にも。いずれの方々も子供たちに声をかけたり、腕章を付けたりなど、「見守っているよ」とわかるようにされています。

ただ、子供たちにとってみれば、適切な表現でないかもしれませんが、相手が誰か確実に理解できる学校の先生と比較すれば、残念ながら地域の方々や警察の方々より、先生の方が「安心感」という意味では勝るのではないかと私は思います。異論・反論はあるかもしれませんが。

この観点から考えると、「黄色いリボン」を胸に付け、毎日、同じように登下校する中学生のお兄さん、お姉さん、特に本当の意味で中学校にお兄さんやお姉さんがいる小さな子供たちにとっては、小学校の先生方と変わらぬ安心感があるのではと私は考えます。

性悪説で、わざわざ「黄色いリボン」を付けて、子供たちに近寄る、という考えは今回は忘れましょう。)