ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

失敗をチーム全員で楽しむ:まもなく中学生になる三男君へ

三男

 三男君、まずは卒業、おめでとう。

 卒園式や卒業式だけは必ず出席すると心に決めているお父さんですが、いよいよ明日が卒業式ですね。

 三男君には、いろいろな想い出がお父さんだけでなくお母さんにもあります。
 他のお兄ちゃんや弟、妹が風邪になっても、近くの病院へ行けば寝ているだけで直ぐに治りました。でも、君は、何度か大きな病院へ行き、一晩中、点滴を打ちました。入院したこともありました。

 しかし、数週間前、お父さんは見ていませんが、君が小学校で他の小学校相手にバスケットの試合で何点も獲得したことを聞き、一安心しました。

 また、生涯、君も含めて忘れることができない最後の運動会の60人の組体操。
 危険なため、過去には実施されませんでした。でも、君の運動神経と同級生の努力で、7段目の頂点に君は立ちました。その瞬間、本当に多くの人達が心の底から感動していました。

 さて、君が三年生や四年生の頃、週末に毎日のように近くの公園で一緒にキャッチボールをしましたね。君はその頃から、中学に入れば野球部に入ると確信していたから。5年生になってからは週末に、欠かさず友達と本格的な野球の練習をしている三男君。

 お説教のように聞こえるかもしれませんが、少しだけお父さんが思うことを聞いて下さい。

 野球部だけでなく、中学生になると悩むことも多いはず。
 もちろん君の悩みをお父さんやお母さんが聞くことは必ずします。でも、それでは「悩み」は解決しません。
 そんな時、一年後には「あんなことで悩んでいたんだ、くだらないことだった」と必ず思うと確信して下さい。「人生とはそんなもので、一年後の自分など分かるはずも無い」と考えれば「悩み」がすっと消えていきます。

 勉強も小学生とは大きく違うようになります。
 時には、「こんなことを勉強して意味があるのか」と思うことがあるでしょう。お父さんも、中学生時代に同じように思っていました。しかし、今となっては、違います。中学生でも高校生でも学校で教えられるのは「知識」です。しかし、その知識の積み重ねが大人になって、様々な経験や体験と共に「知恵」となり、君の人格を確立させます。だから「こんなことは意味が無い」などと思わず、中学だけでなく高校生になっても知識を積み重ねていって下さい。

 野球部に入った際、最初は玉拾いばかりでしょう。
 その後、やっと選手として練習する時期が来るはず。恐らく野球部の監督は試合前や練習中に「ベストを尽くせ」というでしょう。しかし、ベストを狙わないようにしましょう。それよりも、ベターを狙うことです。ベターの積み重ねがベストになります。最初からベストを狙うと往々にして、うまくいかないものです。

 最後に。

 野球とはチームでプレーするもの。
 試合に勝った際は、その喜びを、みんなで共有して下さい。ただ、それよりも重要なことはチームで失敗した時、負けた時に、その犯人を見つけるのではなく、失敗をチーム全員で楽しむこと。チームの荒探しなどで得るものは皆無です。それよりも失敗したなぁと全員で笑いましょう。監督が何を言われたとしても、全員で笑う中心となって下さい。そうすれば、失敗は必ず減っていきます。

 もう一度、言います。三男君、卒業、おめでとう。
 そして中学での活躍を願っています。

 しかし、君なら大丈夫だとお父さんは確信しています。

 なぜなら、君も覚えているように、60人の組体操の7段目の頂点に君は立ったのだから。そして、その頂点からの光景は君しか見ていないのだから。

 2012年3月21日 父、記す。

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