ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

幼い子供と酒場に行っては駄目だと私は思う

 居酒屋などで夜遅くまで子供を連れたまま飲酒をする若い親が増えているという。「子連れで酒場現象」なる言葉もあるようだ。私としてはこのような行為は信じられないばかりか、教育的な効果もまったく無いと考える。 子連れで酒場現象  「わが子と飲み屋、感心しません 非行の入り口と懸念の声-話題!ニュース:イザ!」では、子供を連れて居酒屋へ行く親たちの意見として以下が挙げられている。
ネット上でも議論されている。批判の声が多数派だが、子連れ派は「たまに居酒屋で飲むのはストレス解消になるし、子供も変わったものが食べられて喜ぶ」「核家族で子供をみる祖父母がいない。夜(飲みにいくとき)どこかに預けるのもヘン」「子供ができたからと、夫婦で飲みに出るのを何年も我慢できない」といった声が多い。
 確かに、夫婦やたまにしか外出できない方が居酒屋で飲むことはストレスの解消になるだろう。また、夫婦で飲みに行きたい、しかし面倒を見てくれる祖父母などがいないため、子供を連れて行かざるを得ない、といった主張は完全には否定できない。身近な祖父母や友人などに「久しぶりに夫婦で飲みに行くから子供の面倒を一晩、見ておいて欲しい」といったお願いをすることに躊躇する方もおられるだろう。 もし私が飲んでいる時に隣に子連れのご夫婦がいたら  今は、喫煙しない私だが、もし喫煙していて、お隣に子連れのご夫婦がいた場合、タバコを吸うことを私は遠慮するだろう。また、もし23時といった深夜に小学生くらいの年齢の子供が隣で両親と同席していれば、何とも気になって仕方が無い状態に私は陥ってしまうだろう。このような態度や気持ちになってしまうのは私だけではないと思う。周囲の客だけでなく店主も気になるのではないだろうか。もちろん、「また、来たか」とやり過ごす店主もいるとは思うが。  しかし、今回、紹介した記事では以下のような店主の言葉もある。
“子連れマダム”が多い東京・麻布十番で、昭和30年代の雰囲気が人気の「ラッキー酒場」は子連れ入店を謝絶している。オーナーの廬紫桜(ろ・しおう)さん(41)は「夜遅く焼鳥屋や寿司屋で親の隣に座らされ、勉強している子さえいてかわいそう。店の雰囲気としてもよくない。親の身勝手はだめ」ときっぱり。
 この意見が店主としても正論ではないだろうか。かなり議論が飛躍するかもしれないが、ある程度、高級なフレンチレストランでは「ノーネクタイ」では入店禁止である。いわゆる「フレンチでの最低限のマナー」である。ましてや、親の都合で子供を酒場に入店させ、子供をあまり構うこともなく、深夜まで飲み続けることは、飲食業を営む方々にとっても、またそこで偶然、隣り合わせとなった客にとっても「マナー以前」の問題と認識するはずだと私は思う。 居酒屋での子供の気持ち  私は子供の頃に親に居酒屋に連れられ深夜までいたという経験が無い。よって、居酒屋で両親の横に座っている子供の気持ちは推測でしか判断できないが、「あぁ、またか」という気持ちが大半を占めるのではないかと考える。あるいは何も感じないのかもしれない。「いつもと違って、今日は外食だ、おいしいものが食べられる」といった気持ちは子供たちにとっては皆無だろう。なぜなら、「子連れで酒場」は楽しむ主体が両親であり、子供は代替手段が無かったため仕方なく連れてきた脇役としての存在であることくらいは何度か連れて行かれた子供は、経験として敏感に察知するからである。  恐らく、子連れで居酒屋に行っているご夫婦も最初は、「子供を連れて行く」ことに躊躇いを感じられたと私は思う。しかし、二度、三度と回数を重ねるうちに躊躇いはなくなり、大半の方が「常習化」してしまい、子供の存在や悪影響などについて、既にまったく気にしない状態に陥っているのではと私は考える。この時点で、もう子供にとっても、店の他の客にとっても、「迷惑な存在」あるいは「可哀想な信じられない存在」でしかありえない状態となる。なぜなら、22時や23時頃まで小学生や、小学生にも満たない子供を寝かせないという行為自体が私や大多数の人々にとっては「常識ではあり得ないこと」と考えるからである。もちろん中学生や高校生を連れていても同様の思いを抱くだろう。 どうしても飲みたくても我慢すべき  上述したように、「夫婦で外で飲みたい、ストレスを解消したい」という気持ちは理解できる。しかしどうしても行きたければ、まず誰かに子供を預けられる体制の必要性を自らの家庭の問題として認識し解決すべきである。この体制ができなければ、私は「やはり我慢すべき」と考える。なぜなら、子供が数年後、あるいは十数年後に成長した段階で、夫婦だけで飲みに行く機会はいつでもあるからだ。「そんなに何年も待てない」と思う方は、子供の立場になって自らの行動を省みればいい。「常習化」した「子連れで深夜まで酒場」という行為は、幼い自分の子供にとって何も利点を生み出さないことに気付くだろう。 食事のマナーを学ばせ、成人してから一緒に飲みに行けばいい  私は中学生程度の年齢に達した段階以降、年に数度、フレンチのレストランに連れて行ってもらった経験がある。この経験でナイフやフォークの扱い方やフレンチのマナー、そしてサービスというものを体得した。もちろん将来、ホテルマンにさせるという背景もあったかもしれない。ただ、今は亡き祖母だけが当時、柔らかいトーストを頼みもせずにサービス(サーブ)されていたことは今でも大きく印象に残っている。これが「本当のサービスというもの」なのかと子供なりに感じ取っていた。また、フレンチ以外の料理屋にも定期的に連れて行ってもらい、様々なマナーを学んだ。  食に関する様々なマナー・知識は中学生程度の頃から家庭内で、あるいはある程度のランクのレストランや料理屋で学ばせ、体得させることは親として、できる限りやるべきことであると私は考える。もちろん幼児期に深夜まで居酒屋に連れて行くことで子供がマナーを得られるはずも無い。  今まで述べてきたように子供の段階で深夜まで飲みに連れて行くことは、私は反対である。しかし、子供たちが成人になった段階で、一緒に飲みに行くことは、むしろ「やるべき」だと私は考える。上述したフレンチのマナーや、日本料理のマナーなどとは違った、酒を飲むという「大人のマナー」をこの時点で親は教えるべきだと思う。  自分の子供たちが十数年後に成人し、「大人のマナー」を伝える時が早く来ないかと待ち望むこと。親にしかできない、貴重な、そして大切なことではないかと私は考える。 起業家ブログ:下記バナーを是非ともクリック下さい。