ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

出ない杭は抜く

昨日、久しぶりに小学校時代の友人と会いました。

彼とは、小学校だけ同級生でその後は、まったく進路も違い、社会人になって10数年で独立。貿易関係の仕事をしているので、海外に旅立つ前に、少し話をしようということに。

私と彼も大学卒業時は、バブル全盛期。今のような就職難は無く、ある程度の大学を卒業すれば上場企業に就職が可能な時代でした。

(ある程度の大学という語句に深い意味はありませんのでご容赦下さい。)

友人との雑談で出たこと。彼が独立前に務めていた先輩との会話でした。

それによるとバブル時代に入社したいわゆる我々と同世代はちょうど課長クラス程度になっているのですが、彼の先輩から言わせると「いろんなタイプの人間がいる」、逆に最近、入社した若い社員は優秀だが、「全員が同じタイプに見える」とのこと。

要するに、バブル時代は採用する大学卒業者にある程度の幅があったため、様々なタイプの人間が入社し、現在に至っている、逆に現在は、企業側で採用する大学をある程度決めているため頭は良いが個性的ではないということです。そうかもしれませんし、あながちそうではないかもしれません。私も日本でニ番目に優秀とされる京都の国立大学の学生と共同で研究などをしていますが、おもしろい学生もいれば、そうではない方もおられます。ただ、企業の就職過程において、同じ個性を持った人間が採用されるという可能性は捨て切れません。

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さて、今日は現在の大学生の気質がテーマではありません。

我々の会社も3月決算に向けてあと数日。残り少ない今期よりも気分は既に来期の戦略に向いています。

企業運営において必要なものはよく「ヒト・モノ・カネ」(人・モノ・金)と言われますが、私のところのような特殊な事業形態を持つ企業では、まず優先順位に「人」が来ます。我々は環境に考慮した技術を使って衰退した樹木を回復する事業を行っています。世間では「環境緑化関連ベンチャー」と定義され、就職したい・インターンをしたいという方々がある程度はおられます。

ただ、やっていることは灼熱の日でも極寒の日でも、毎日、遅くとも朝7時には会社を出発し、夕方6時頃まで現場仕事。そして明日の現場準備や事務処理で終了するのは平均して夜の9時か10時です。このような業態・毎日では、肉体的に苦しいときにも、お客様が回復した樹木を見て、喜んでいただく姿だけを想像し、歯を食いしばって現場で仕事をする社員が我々の会社の宝となります。

「モノ・金」については、経営者トップである私が注力すれば良いのです。どこに経営資源を集中させるのか、どの方向に向いていくのかを示すだけで良いといっても過言ではないかもしれません。ただ、「人」だけは私の力も必要ですし、組織としてどのようにしていくか全社を挙げて取り組む必要があります。

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来期に向けて、既に年間の事業計画は構築されています。ただ、計画は計画にしか過ぎません。具体策の一つとして来期は「人」をテーマに重点を置いていきます。

我々の会社は、別に卒業した大学によって区別をすることはありません。上述したように毎日の過酷な業務をこなす能力・意欲を兼ね備えていることが優先します。ただ、毎日、同様の業務をしていると、やはり変化が個々にも見られませんし、最後には社風にも影響を及ぼし進歩を阻害します。

だから、来期の「人」に関するスローガンが「出ない杭は抜く」なのです。

よく「出る杭は打たれる」といいますが、ご承知の通り、このような時代は終焉しました。「全員が同じタイプ・金太郎飴状態」では駄目なのです。

ただ、ここからがベンチャー企業の厳しいところ。

数年タームで、出ない杭タイプの社員を出る杭タイプの社員に育てていく余裕はありません。よって、出る杭型社員を組織として数ヶ月タームで期限を区切って育てます。だから、数ヶ月しても変わらない「出ない杭は抜くしかない」のです。厳しいかもしれませんが、今の世の中ではこのような姿勢で臨む必要があると私は考えています。

現状では、社員すべてが「出る杭タイプ」です。出方に多少の差はあります。よって、来期はさらに杭に磨きをかけ、出ている杭の部分を社員個々に合わせて、もっと伸ばしていくこと、社員個々に応じた方向に出た杭を向けていくことが社長として、そして組織全体としての使命だと考えています。

しかし、世間では優秀な人間ほど出る杭タイプで、他社に引き抜かれることが多々あります。この点についてこそ、我々の特殊な業態に社員が夢を持ち、意義を感じ取ってもらえるようにしていくことで引き抜かれないようにすることが私の役目となります。

さて、今日の「週刊!木村剛」様の[ゴーログ]逆境こそが経営者の資質を磨く!で私の記事を取り上げていただいたことを確認しましたが、今後、取り上げていただくこともライブドアの動向次第?かもしれませんので、ご参考下さい。私の拙いサイトをわざわざご覧いただき感謝致します。

追記:

昨日の「尾花広報部長」様の銀行金利引き上げの掲載を第三者がブログ上でというのは法的に大丈夫なのでしょうか?

本当はこの点が伝えたくトラックバックした次第です。

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