ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

社長になって怖そうな方から初めて先に電話を切られたという話

電話

 今回、このエントリを書こうかどうか少しばかり躊躇しましたが、まさか私のサイトを見ておられるとは思えないので、昨日の出来事を紹介しましょう。

 我々は基本的に緑化・造園関連の仕事をしているため、お世話になっている業者各位の皆様の社名が「・・組」という名称の場合が少なからずあります。多くの場合、「・・組」とお電話いただいても、お世話になっている業者様ならすぐに私や担当者に電話を繋いでもらいます。

 ただ、たまに「・・組」といった名称で私宛に名指しで直接、電話がある場合、あるいは一度も電話も頂戴していない、面識もない方から私を指名して電話をもらうことが一ヶ月に一度くらいあります。その場合、社員が「社長は席をはずしておりまして」と伝えることで、ほとんどの場合、私が相手先と直接、話すことはありません。

 過去に一度、「・・組」という方から電話をもらい、取引先と間違えた社員が私に電話を繋いだことがありました。そして、昨日は「・・組」ではなく、カタカナの社名で私宛に電話がありました。数日前に商工会議所の交流会でそれなりの名刺交換をしたことを知っている社員は、その関係者の方と考え、私に電話を繋ぎました。

 まずは、月に一度はある「怖そうなふりをする方々」と過去の電話のやりとりを披露しましょう。

「小島でございます。」と恐らく例のパターンと考え、暗い口調で電話に出る私。

「地元で小島社長が熱心に活動しておられると聞いて、ある人の紹介で電話させてもらったんですけどね」と最初から少々、不躾な口調の相手様。

「いや、何も活動なんかしておりませんが」と私。

「いやいや、社長、本来なら、直接、お伺いすべきところを電話ですいません」と会社に押しかけることを匂わす相手様。

「で、なんでしょうか?」と私。

「いや、社長の地元での活動の熱心さで何とか協力してもらいたいと思いまして」と相手様。

「いやいや、ご協力するにも何をすれば良いのか・・・」と相手の懐にわざわざ入り込む私。

「えぇ、具体的にご協力していただきたいとは思ってるんですけどね、社長もお忙しいと思うんで、我々の団体に資金面で協力して欲しいと・・・」と、とうとう本題に入る相手様。

「はぁ・・」と、いつものパターンが来たかと私。

「実は我々の団体で年鑑を発行してまして、一冊6万円程ですが、なんとかなりまへんやろか、社長」と本当にいつものパターンの相手様。

「いや、すいません、そういう話でしたら結構です」ときっぱりと断る私。

 多くの場合、このように架空か実在するかはともかく、高額の書籍を購入する名目で資金協力を依頼する「怖そうな皆様」。そして、一度、断るとそれまでの口調が一変する「怖そうな皆様」。

「社長、まぁ、そう言わんといて下さい。私らもそう簡単に断られると紹介された方に対して顔をつぶすことになりますねん」とまずは第一攻撃を受ける私。

「いや、結構です。もう電話切ります」と私。

「社長、嫌でしょ、何十人前の寿司が配達されたり、会社に何台もの車が押し寄せたら・・・」とあの手この手の波状攻撃でやんわりと怖いことを言う相手様。

「いやいや、困りました。これで電話を切ります」と「社長!」と叫ぶ声を聞きながらも電話を切る私。

 こんな感じの電話に、何度か相対しており、実際に実害を受けたこともない私は、数分間のやりとり後、自ら電話を切ります。

 しかし、昨日は違いました。

 昨日の相手様は電話の冒頭から「自らを怖い団体」と名乗り、いつものように私に団体の活動を実際に支援して欲しいと依頼しつつも、現実的に無理なため、やはり書籍購入の依頼が最後に。いずれにせよ、あの手この手で「怖い怖い」を前面に出す戦略でした。

「すいませんね、ご協力できませんので・・・」ときっぱり断る私。

「社長、私の立場も考えてくださいよ」と相手様。

「そう言われても、お会いしたこともない方のお立場を考えるつもりも毛頭ありませんし」とまたもやきっぱりと断る私。

 数回の穏やかながら明確に断り続けるやりとりの後、「では、すいませんが電話を切ります」と伝えようかと思った瞬間、相手様の方から電話を「ガチャ」と切る音が。

 今まで、何度か「怖そうな方々」から電話を受けましたが、相手様から先に電話を切られてしまうという初めての体験。

 僅かばかり、なぜか嬉しいような感を抱いた私。

 恐らく、何百社と電話をかけておられる「怖そうな方々」も私には見込みが無いと考えられたのか、早々にあきらめられたようです。

 社長という立場上、いろいろな方からの電話を経験していますが、今回ばかりは少し肩透かしにあった感がありました。

 いずれにせよ、あまりこういった電話のやりとりはしたくないものです。時間の浪費とも言えるでしょう。ただ、こういった電話が存在しているということは、自ら電話を切ることもできず、最終的に相手の言うなりになってしまう方が存在するということ。その事実は残念な限りです。

 以上、「怖そうな方々」のセールスは、成約率がどれくらいの確率なのか、次回、電話があった際には聞いてみようと、昨日の電話の後に考えた私でした。

 では、業務再開としましょう。

 そして、このエントリを見て、「怖そうな方々が電話をしてもこの社長には意味がない」と思っていただくことを祈念して。

 追記:

 「週刊!木村剛 powered by ココログ: [ゴーログ] サブプライムローン問題:シティバンクを考える」に本エントリをtrackback致します。まったくサブプライムローンと関係ないエントリですが、中小企業経営者はこのような出来事に苦慮しているというご参考ということでご容赦を。

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