ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

一つの水草が背負う様々な運命

 会社の庭にあるホテイアオイ。中には、黒メダカが共に優雅に、泳いでいる。  水面に浮かんで生息するホテイアオイ。    「夏の涼しさ」というキャッチフレーズと共に、観葉植物として、また「飾り」としてホームセンターなどで販売されている。そして、人間が見て、「涼しむ魚」として本来のメダカでは無い「キメダカ」が同じコーナーで販売されている。 ホテイアオイ」とはWikipediaより引用:太字は私)
人間との関わり  花が美しい水草なので、日本には明治時代に観賞用に持ち込まれたものである。路地での金魚飼育などの場合、夏の日陰を作るのによく、またその根が金魚の産卵用に使えるので便利である。水面に浮かぶので、水槽での栽培には用いられない。  世界の熱帯・亜熱帯域に帰化し、日本では、本州中部以南のあちこちで野生化している。寒さに弱く、冬はほとんど枯れるのだが、一部の株がわずかに生き延びれば、翌年には再び大繁殖する。繁殖力が強く、肥料分の多い水域では、あっという間に水面を覆い尽くし、水の流れを滞らせ、水上輸送の妨げとなり、また漁業にも影響を与えるなど日本のみならず世界中で問題となっている。冬季に大量に生じる枯死植物体も、腐敗して環境に悪影響を与える。  また、水面を覆い尽くすことから、在来の水草を競争で排除する事態や水生動物への影響も懸念される。  逆に、その繁殖力を生かして、水中の窒素分などをこの植物に吸収させることを目指して、水質浄化のために利用しようとの試みもあるが、多くの場合、繁殖した植物体をかき集めて処理するのが大変で、うまくいっていないし、水域に投入しただけで環境によいことをしたつもりになって放置しているケースも目立つ。むしろ、いくら閉じこめたつもりでも、少しでも外に出れば大きな問題を引き起こすような外来種を、水質浄化など、環境対策として用いることは環境浄化の方法として好ましくないと、多くの専門家が批判している。  にもかかわらず、そのような問題に意識を持たない人たちによって、いらなくなったホテイアオイが川や池に捨てられる例も多い。ビオトープ施設でも、環境によい植物とみなしてホテイアオイを入れている場所がいくつもある。外来種の扱いに対する意識は、まだまだ希薄であると言って良い。
 簡潔にまとめれば、外来種で夏に異常繁殖するホテイアオイと、これまた外来種のキメダカで、夏の暑さを忘れるための道具としてこの2種を売り出す方々。ホテイアオイは基本的に日本の寒さには耐え切れず、死滅。キメダカもそれなりの工夫をしなければ越冬は難しいどころか次の産卵さえも難しくなる。  ホテイアオイも本来のメダカも、環境作りさせすれば、翌年も共に生活を見ることができるもの。ただ、そんなことを期待している人は多くない。死ねば終わり、枯れたら終わり、日本の生態系に合わせられないという日本人の都合によって、様々な生命が本来持つ生命より極めて短い命を日本で絶つという現状。  そして、「涼を求めて・・・」と盛んにアピールする関係者。  もう各地では、終わったかもしれないお盆のお祭り。そこで必ず見かけられたであろう「金魚すくいの金魚たち」。この「金魚たち」は、「涼を求めて・・・」とホームセンターで売られる資格も無く、人間の道楽、趣味にも合致しない、基本的にはある生き物達の「餌」になる運命を背負った、まったく商品力の無い「金魚たち」。  しかし、どんな金魚にも命は存在する。ただ、命の重みを計り、左右できる唯一の生命体、それが我々、人間であることを無意識に行動している人もいれば、意識的に自覚し、ビジネスにつなげている人もいる。  身近な、それこそ「夏の風物詩」といった言葉の影には生態系のドラマとそれらを無視した人間達、そして、過剰に危惧している人々がいる。このバランスを図ることも極めて難しい。  今、私の書斎には次男坊が彼の友人からもらったカブトムシやクワガタが入った大きなケースがある。夜には虫たちが動いている音がする。カブトムシやクワガタも夏の風物詩だろう。ただ、残念ながら成虫まで育てるまでには至らなかったが、昨年は卵を孵化させ幼虫まで成育させることに成功した。  今年はどうなることか。いずれにせよ、「夏の風物詩」で終わらせる程、「生き物を飼育する」ことについて、軽々しく考えていない家族であることだけは表明しておこう。 起業家ブログへ