ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

季節を感じよう

花見シーズンを前に気をつけていただきたいことをエントリーしましたが、もうすっかり花見をされている方も多いようです。実は、私の会社付近は、山科疎水の数百本のサクラ並木や、花見で有名な神社があって、結構、今日も多くの方が訪れられています。疎水付近では屋台も数日前から出されています。あぁ、今年もシーズンが来たなと思わせる毎年の風景です。

JR山科駅というところから、疎水や有名な神社まで歩いて約10分程度。都会と違って、駅から歩くといろいろな季節が味わえるなかなか見ごたえのある道が続きます。

私の会社へ通ずる道路は、車が一台程度しか通らない細い道です。この時期は、花見される方々の車やタクシーで、かなりの混雑になります。細い道ということと、花見の時だけしか来られない方々にとって不慣れな道ということが重なり、時には「早く動け!!」といった怒号が飛び交うこともあります。

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少し話題を変えてみます。

我々は自社の商品や、無農薬リンゴ、リンゴジュースを取り扱う「通販サイト」を持っています。何の宣伝もしていないのですが、無農薬リンゴがシーズン中に1000ケース近く販売できました。「無農薬リンゴ」と検索サイトで探すとなぜか、ほとんど上位にくることも理由の一つかもしれません。また一度、食べれば忘れられない味ということで、リピータの方が多いことも一つの理由でしょう。

ただ、今日、通販サイトに下記の内容を付け加えました。

まもなく今シーズンのりんごは完売です!!4月10日頃出荷終了の予定です。 <2005.4.05>

メールでご注文や問い合わせを受けるのですが、実は、お客様の中に一部ですが、「リンゴ」というものは年中、食べることができると思っておられる方がいるからなのです。我々の感覚では「リンゴ=秋の味覚」というイメージがあるのですが、世間ではそう思っておられない方もいるようなのです。別にその方を非難するための今日のエントリーではありませんが。

ただ、何が原因なのでしょうか?

スーパーなどでは年中、季節に関係無く一部の果物や野菜を買うことができるようになりました。あるいは季節を意識せずとも買いたいものを買うことができる時代になったといえるかもしれません。農家の方やバイヤーの方々の努力、流通が発展したことが理由でしょう。

しかし、「旬の食べ物」といった表現があるように、例えばリンゴが最もおいしい時期、魚が一番、おいしい時期というものは確実に今でも存在しているはず。そしてそこには「季節感」というものがあるはず。だから「秋の味覚シーズン到来」という言葉もまだ存在しているのでしょう。

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冒頭の私の会社付近のサクラの話に戻します。

駅から10分程度の道。そしてその道には様々な四季、季節を感じさせる樹木や風景で一杯です。ちょっと歩くだけで、そしてちょっと寄り道することで季節を感じることができます。

もちろん足の悪い方もおられるため、タクシーで目的地へ真っ直ぐに行くことに批判はしません。ただ、私の見ている限りでは、若い方も多数、車で移動されています。

タクシーで5分で目的地に到着し、サクラを見て、またタクシーであっという間に帰る。結局、花を、サクラを見るという意識が先頭に立って、「春が来た」という季節を味わうことはあまり意識の中にない方が多くなってきたということかもしれません。あるいはサクラの木の下で宴会することが最大の目的になっているのかもしれません。

季節を味わうことを日本人は忘れかけてきた感じがします。

少し歩いてまわりの風景を楽しむ。季節を感じるために旬の野菜や食材を求める。余裕がないのか、その心を忘れてしまったのか。極論かもしれませんが、だからリンゴは年中、食べられるものだと思っている方が世の中におられるようになったのかもしれません。

せっかくの一年に一回だけのサクラのシーズン。ゆっくり、のんびり味わえば、いろいろなことが見えてくるのに少し残念な気がします。帰り道に友人とゆっくり歩いて語らいながら、満開のサクラの余韻を味わう方が私はよいと思うのですが。

まずは季節を感じるために、歩くことから始めませんか?

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