ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

なぜ、真夏の今、人々は無視するのか、そして責任回避と人々の劣化。

悲しみ

 数日前の夕方に大手ドラッグストアへ。

 車を停めて、ドラッグストアの入口近くに、倒れこんでいるご老人が。「大丈夫ですか」と私は聞いたが返答は無かった。ただ、焼酎のパックのようなものがあった。

 入口にある簡易椅子に座ろうとされていたのだが、恐らく、一度は座ることはできたのかもしれないが、ずり落ちてしまわれたと思う。換言すれば、ずり落ちた瞬間に頭を強打された可能性があったと私は直感した。

 私は、自分の買い物など関係なく、急遽、ドラッグストアの店員にご老人が倒れこんでいると女性店員に伝えた。女性店員は、様子を見て、「店長を呼びます」と一言。
 この真夏の中、早急な対応が必要と思いながらも、店長が来られた。

 店長と私とで、ご老人を椅子にしっかりと座れる状態にした。眼を覚められたご老人は手を合わせ、ありがとうございますの意思表示。ただ、話すことも居場所・連絡先も聞くことができない状態。

 「店長、救急車を呼びましょう、このままでは危ないですから」と私。
 「いえいえ、当方で注視致しますので、救急車は必要ありません」と店長。

 私は、自分の買い物を終え、再度、簡易椅子に座っておられるご老人に声をかけたが返答は無かった。

 「店長、やばいですよ。ご老人の意識が無いように見えますが」と私。
 「お客様(私)、これ以上は我々で何とかしますので」と店長。

 その言葉を聞いた瞬間に救急車を呼んだ私。そして、店長に対して、救急車を呼んだのは私自身ですからと伝えた。

 その瞬間に店長の顔が緩んだ。要するに、自分の失点を本部に伝えられない状況を回避できたからだろう。

 いずれにせよ、この真夏にご老人が倒れこんでいる状態を誰しも、伝えなかった人々。そして、ご老人が倒れこんでいることを知らずにいたことを失点と捉え、責任回避したドラッグストアの店長。

 私がドラッグストアへ行く前に、ご老人が倒れこんでいる姿を多数の方は見ているはず。真夏の今、死に至る可能性があるというのに。

 そして、倒れこんでいることを知らなかったという事実を隠蔽しようする店長。サラリーマンである店長の気持ちは分かる。だから私が救急車を呼び、彼の責任を回避した。
 しかし、誰が見ても、危険な状況であるご老人が倒れこんでいる姿を見ても、ドラッグストアで買い物する誰もが店のスタッフに言わなかった事実。

 極論だが私がその日にドラッグストアへ行かなければ一人の生命が失われていたかもしれない。

 日本人はここまで、劣化しているのだろうか。

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