ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

私が4年間、ブログを続けられたと思う3つの理由

 私がこのサイトを始めたのが2004年4月25日。今日が2008年5月1日で4年と数日間が経過したことになる。私の初めてのエントリは下記のようなものだ。今、読めば極めて恥ずかしく、かつまったく私自身としては中身の無い内容と思うが紹介する。
初の記事」 今日が初のプログでのサイト作成 私は結構、注目されているベンチャー企業の社長です。 環境や緑化でがんばっている企業です。 さて、会社宣伝は置いておいて、今日の一日を 午前中は近くの図書館へ。最近の図書館はCDやビデオも借りることができるので便利。 私が借りたCDは、ベートーベン関連。 その後、スーパーで子供達の弁当を買って公園で食べました。 夕食も野外でばーべきゅーの予定が長男が熱を出したので自宅に バーベキュー大会。 さて、今日が始めてなのでこのくらいにしておきますが、プログに慣れてきたらいろいろとベンチャーとしての情報を流したい思っています。
 このエントリから、もう4年。私なりに日々、思うことを書き続けてきた。しかし、この4年間で多くのブロガーがブログを閉鎖している。恐らく私の知っているサイトの半数近くが無くなっていると思う。逆に、この瞬間にも新たにブログを開設している方もおられるだろう。そしてこれは推測だが私の「初の記事」のようにブログ開設当初の方は、自分は何をしたか、何を食べたかなどを書かれているだろう。もちろん、そうではない方もおられるとは思うが。  さて、4年間を通じて、エントリ数は800個近く、コメントやtrackbackもそれぞれ3000個近くとなっている。また余談だが、数週間前から、googleで「小島愛一郎」と入力すると私のサイトのサイトリンクが自動生成されるようになった。  いずれにせよ、不定期だが4年間続けることができた。なぜここまで続けることができたか自分なりに思うこと、心がけてきたことを以下に列挙する。 1)ネタを探す時間をつくらない:ブログそのものに縛られないために  毎日、更新されているブロガーはその日のエントリの内容をアップするため、様々なアンテナを持たれている。ソーシャルブックマークRSS配信しているニュースサイトなど。ネタ帳を持たれている方もおられる。毎日、更新されるブロガーに敬意を表するが、私には到底、できないことだ。多くの方もそうではないだろうか。  私も2年ほど前に、ほぼ毎日更新していた時期があった。その当時はちょっとした合間に今日のエントリの内容は何にしようかと試行錯誤していた。しかし、業務中でもあり、かつ試行錯誤すればする程、書く内容が定まらないことが多々あった。  もちろん、今日、何を食べた、誰と会ったといったことをエントリするなら、誰でも毎日、更新することが可能だろう。私はそういったエントリのスタイルを否定はしない。ただ違和感が残る。私が何を食べ、誰と会ったかなど知りたい人がどれほどいるかと考えれば、自ずとそのような内容を書く必然性が皆無に近いと思うからだ。  最近の私は、深夜に帰宅し、新聞を読み、少しニュースを見て、何か感じることがあれば、それをテーマに自分なりの視点で、時間のある際にエントリするようにしている。そこで初めてRSSリーダーなどで関連するニュースを探す。  エントリの内容、ネタを探す時間を毎日、確保している場合、ネタがすぐに見つかればいいが、そうでなければエントリを書く時間よりもネタを探す、考える時間の方が長くなってしまう。  このような状況は、自分自身が疲れてしまうだけでなく、ブログを続ける意味すら無くなるように思えてくる。本末転倒と言っても良いだろう。これも推測だが、ブログを閉鎖された方の最たる原因の一つが「書くことが無くなった」ことにあると私は考える。  だからこそ、何かを感じた際に、自分なりの視点で、書くことができると思った時に、エントリの内容を定め、そして時間のある際にアップすればいい。「わざわざネタを探す時間をつくらない=ブログに縛られない」、これが長続きできる理由の一つと私は考える。 2)自分の知らない分野は書かない:自分自身が納得し負担を感じないために  昨日はガソリン税等の暫定税率復活が衆院本会議で再可決された。ある意味、エントリとしては誰もが書くことができる内容だ。ある人は「ガソリンが再度、値上がりして悲しい」、ある人は「今の政治はどうなっているのか」と、それぞれ書くことは多様だろう。  私も暫定税率復活について思うことはある。どこかのニュース記事を引用し、それに自分なりの「感想」を付加すれば、10分程度で一つのエントリができあがる。しかし、私は暫定税率や税に関して専門的知識を保有していない。  換言すれば、これらの知識を保有している方が書いたエントリの方がはるかに有用であり、かつ説得性がある。そして昨今のブログ界隈ではそういった専門家の方々が盛んに情報発信されている。ある程度、ブログ界隈を知っている方なら、「この分野はこのサイト」といったお気に入りのサイトが存在しているはずだ。  私は経営や環境、教育分野については、仕事上、それなりの知識を持っている。かつ実践もしている。このサイトのサイドバーに私のエントリのカテゴリが列挙されているが、現時点で、「経営的視点」が88個、「時事問題への思い」が58個、「現代の教育について」が25個といった感じで170個以上のエントリがある。社長ブログでありながら、「私の会社:サン・アクト株式会社」というカテゴリは55個しかない。  このように私なりの視点で、ある程度、多くの方が納得され、かつ説得性のあるエントリを書き続けたいという思いが私の根底にある。納得いただき説得力のあるエントリを書き続けることで、自分のサイトに対して、ある種の「色」・「スタイル」が自然に付加されていく。そういった私のサイトの「色やスタイル」を好む方に読んでいただければそれで十分だと私は考えている。重要なことは、「自分が納得しているエントリを書いている=負担にならない=長続きする」、といった循環だと私は考える。  日々、世間で生じている様々な事象について多分野において数年間、書き続けておられるサイトを私は否定しない。そういったサイトにはいくら専門家のサイトがあったとしても、その方のエントリ内容そのものではなく、その方の既に付加された「色・スタイル」を好んでアクセスされていると私は考える。いずれにせよ、数年間、書き続けることが前提だが。 3)Weblogはそもそもログ(記録):自分の考えを書き続けることで、自己の変化を知ることができるだけでも凄いこと  私しか書くことができないエントリが「私の人生」というカテゴリで70個ものエントリがある。自分と自分の家族、お世話になった方々への記録をタイムリーに残すことは、容易にエントリをアップすることが可能なブログの最大の醍醐味だと考えている。  ただ、このカテゴリにおいて、先にも書いたように「誰と何をしたか」といった内容は一切書かない。このカテゴリにおいては、自分の子供たちへのメッセージなどを多数、書いている。しかし最も心がけていることは、私の人生観であり価値観を書き連ねることにある。  子供たちが私のサイトを見ることは現時点では年齢的にも皆無であり、期待もできない。また、私の人生観や価値観を子供たちに押し付ける気持ちも毛頭無い。ただ、30歳代後半にこのサイトを開設し、今年で41歳になる私もそれなりに人生観や価値観は変化している。その変化を自分なりに記録していくことを無用だと否定する方は多くは存在しないだろう。  お前の人生観や価値観など知りたくも見たくも無いという方は存在すると思う。しかし、「私の人生」というカテゴリだけでなく、他のカテゴリにおいても、結局は自分の価値観や社会に対する自分自身の考えが、それぞれのエントリに反映している。それなりにブログを続けられている方にはエントリそれぞれにその方の価値観や考えが反映されていることと同義だ。それが再度になるが、自然に付加された「色でありスタイル」だと私は思う。換言すれば、自分の価値観や視点が反映されていないエントリなどは極論かもしれないが、書く意味もネットというパブリックな場に公開する必要性も無いと私は考える。  私は、たまに時間があれば、過去のエントリを読み返す。「あの時、自分はこう考えていたのか」と思う時もあれば、「数年前とはモノの見方が変わったな」と感じる時もある。自分自身の心境、人生観、価値観の変化を見続けるためにブログというツールは最適だと私は考える。まさに紙媒体の日記を数十年間、書き続けている方と同じ心境だ。  だからこそ、自分の人生観、考えを付加したエントリを書き続け、知らぬ間にそれが「記録」として残り続けると感じた際に、改めてブログというツールの有効性を再認識し、同時にこれからも書き続けようというモチベーションが高まると私は考えている。  一度、いわゆる有名なブロガーの最初のエントリを見られればと思う。そして、その方の最新のエントリと比較されればいい。どれほど今は有名なブロガーであったとしても、最初のエントリは、私が冒頭に紹介した「初の記事」に近い形が多い。特にブログサービスが始まった頃から続けれられている方がそうだ。  しかし、その方が書き続けられていくにつれ、エントリの内容に深みが増していく。そこには、その方の人生観、価値観が必ず、静かにそして深く潜んでいる。  そういった自分自身の変化、ある意味において自分の成長過程を知りたいとお考えの方は、今一度、自分のブログスタイルを見つめ、過去のエントリを読み返し、さらに自分の人生観や価値観を付加していくことで、自然にブログは長続きしていくと私は考える。 ※「ベンチャー企業社長ブログトップ10位へ」 ※「特選された起業家ブログ集トップ10位へ