ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

私のちょっとした仕事のスタイル:手帳編

 前回の「私のちょっとした仕事のスタイル:打合せ編」に続くエントリです。前回は「重要事項や秘密にすべき内容などが書かれた紙媒体を紛失しない予防策を講じておく」・「簡単にすぐに切り離すことができるリーガルパッドの使用法」・「打合せを再考し、自分なりにまとめるという作業は重要」といった観点から打合せにおけるメモ術について書きました。  今回は、手帳について私なりの使い方・考え方をご紹介しましょう。 「超」整理手帳  私の背広やカバンに常備しているものはリーガルパッドとは別に手帳が二種類。一つ目は、多くの方がご存知の「超」整理手帳です。こちらはスケジュール管理ではなく、この手帳最大の特徴で、ビジネス書類の基本サイズである「A4サイズの紙媒体なら穴を開けることもなく、何でも挟み込むことができる」という観点で数年前から使用しています。 「超」整理手帳2007スペシャルBOX 「超」整理手帳2007スペシャルBOX  この手帳に常備しているものは、 1)年間カレンダー(A7サイズ) 2)最重要事項を除く会社の情報(毎月更新・差し替え) 3)メモ用紙数枚 4)ライフプラン(自分の年齢と家族の年齢を重ね合わせた一覧表) 5)各種情報(これが最重要)  最初の見開き左側に「年間カレンダー」と「ライフプラン」を差込み、見開き右側にメモ用紙数枚を差込んでいます。「ライフプラン」とは例えば私が50歳になった時点で5人の子供たちは何歳になっているかなどを瞬時に把握できるもの。約十年後に私は50歳。長男が20歳前後となります。長男が成人する頃に自分は50歳となっているわけで、それなりの結果を50歳前に出しておかなければと考えるなど、「ライフプラン」は自分の長期的なプランを考える上で非常に重要な役割を果たしています。  そして「カンガルー・ホルダ」というこの手帳に欠かせない優れモノを利用し、2つあるホルダの差込み口の一つに会社のそれなりの現状の情報を差込み、移動の際などにチェックし毎月更新します。できる限り、会社の生の情報を毎日見ることで、ちょっとした変化に気付き、すぐに対応が可能となります。そして、もう一つのホルダ差込み口に「時刻表や地図などの各種情報」を差込んでいます。  換言すれば「超」整理手帳は私にとってスケジュール管理ではなく、「移動中に会社の現状を分析するツールを提供するモノ」、外出先などで「必要だったな」と思った過去の記憶に基づいた「必要情報の保存庫」、といった位置付けとなっています。よって、私の「超」整理手帳にはスケジュール帳がありません。  携帯電話でネットに接続し、情報入手・収集することも可能な時代になってはいますが、私は携帯メールすらまったくしないため(できない・興味が無いとも言えます)、今さらながらのアナログスタイルでこれからもこの状態に変化は無いでしょう。  「超」整理手帳は、横幅がA4サイズ4つ折(約8~9センチ)サイズに近く、背広の右内ポケットに携帯電話と共に違和感無く入るため、外出時には常に携帯しています。ちなみに左内ポケットに横幅9センチ、厚み1センチ程の財布と同じブランドの名刺入れ(KRIZIA)を。  また、「紙媒体を紛失させない防止策」として、この「手帳にも重要な事項は一切、書き込まない、差し込まない」ようにしています。  例えば、京都の地下鉄の時刻表をこの手帳に差し込みたい時は以下のようにします。 1)「PDFCreator」を予めダウンロードしておく。 (PDFCreatorは、ほとんどのソフトで作成したファイルをPDF化できるだけでなく、JPG, TIFF, BMPなどの画像保存が可能なフリーソフトでオススメです。) 2)京都の市営地下鉄の時刻表が掲載されているサイトへアクセス。 3)ブラウザの印刷設定で「PDFCreator」を指定し印刷(=画像変換に指定) 4)取得した画像(今回の場合、時刻表の画像)の不要部分を適宜、トリミングする。 (ワード上でトリミングすることも多々あります。) 5)ワードなどのソフトに画像を貼り付け、上の余白を8センチ程に設定しプリントアウト。 6)指定した8センチの余白の白紙部分がちょうどカンガルー・ホルダの差込部分となり、引き出す部分のみ時刻表が印刷される。  このような感じで、各種情報を手帳に差し込んでいます。差込部分を余白(白地)に設定するため、情報面積はA4サイズの4分の3となってしまいますが、様々な情報を差込むためには仕方がありません。ご興味のある方は、「ノグラボ「超」整理手帳コミュニティ2007」もご覧下さい。ヘビーユーザーが活発に意見交換されています。 (リンクポリシーが無かったため直接リンクとしました。ご容赦下さい。) リンクアップ式手帳  ビジネスマンになって様々な手帳を試してきましたが、職種や立場が変化していくと共に、使用する手帳も変化してきました。現在、使用しているもう一つの手帳が、1月始まりで「リンクアップ方式」:十字に区切られた4箇所のスペースに自分なりのテーマを決めて書き込むことができるというスタイルのもので、「高橋書店のフェルテ7<黒>」を使っています。 (こちらもリンクポリシーが無かったため直接リンクとしました。)  例えば10時から11時までアポイントがあった場合、その時刻に合わせて手帳に予定を記入するという流れが多くの方に共通した手帳の使い方でしょう。もちろん、人それぞれ微妙に使い方は違うはずですが。  また、さらに手帳活用に一歩踏み込んだ形で、様々な経営者が企画・監修した手帳も販売されていると共に、手帳で夢が実現したり、手帳をうまく使いこなすことで仕事も円滑に進むといった視点でのノウハウ本が多数出ています。  私はこれらについて何も否定するつもりはありません。私も過去に何度も手帳活用術たる書籍を読んできました。その影響もあり、システム手帳を以前、使っていましたが、やはり携帯性に優れていないと考え(要するに大きすぎると共にシステム手帳だけではすべては解決しないのです)、現在は使用していません。リフィルによる差し替えがシステム手帳のメリットの特徴の一つですが、A5サイズのシステム手帳に自作リフィルを作成するよりもA4で余白を残して印刷し、「超」整理手帳にどんどん差し込む、差し替える方が時間的にも有効かなと考えています。  ただ、下記の理由から手帳でのスケジュール管理は積極的に行っていません。 (ここでいうスケジュール管理とは一つのプロジェクトや同時並行しているプロジェクトに対して自分なりの時間配分を設定し、それに基づく行動をすることを意味しておりアポイントなどはもちろんスケジュール管理の時間配分を考慮しながら手帳に記入します。) 1)自分なりに数週間分の時間配分を設定し手帳に記入しても必ず修正が必要となる。 2)修正のためにわざわざ書き変えるなどは時間の無駄。 3)修正が頻繁なプロジェクト管理こそソフトで行うべき。 4)アポイントのダブルブッキング防止策のみに手帳を頼る。  この観点から、現在使用している「リンクアップ方式」で4つに区切られた部分に私なりにテーマを決めて記入し、すぐ横の余白部分に、To Doリストやメモ、アポイントを記入するだけで十分だと私は考えています。  では、次に実際に私が使用している管理ソフトをご紹介しましょう。 「壁カレ」と「がんすけ」  まずはパソコンのスタートアップにも登録している「壁カレ」。多くのサイトで紹介されていおりご存知の方も多いかもしれません。  参考:『壁カレ』でラクラク予定管理! - [フリーウェア・シェアウェア]All About」・「窓の杜 - 壁カレ」  私は「壁カレ」でデスクトップ上に3か月分のカレンダを表示させ、アポイントが入った時点でこのソフトに入力、そして手帳にも書き込みます(もちろん手帳でのアポイント決定後、このソフトへ反映させることもあります)。また、様々な案件の締め切り時間を登録するなど、かなり重宝しています。  「USBメモリ」に情報を記録させ、自宅PCでも同期させているなど、「Google Calendar」を先頭に様々なスケジュール管理をネット上で調整可能な時代ですが、やはり何があるかわからないという情報漏洩の観点から、こちらも半分はアナログでやっています。  かなり見づらいですが、下記画像が私のデスクトップ画面。パソコンによるプレゼンも多いため壁紙は無く黒無地で、かつデスクトップ上にもほとんどアイコンを置いていません。 こちら」をクリックすると画像が拡大します。 (余談ですがプレゼン等で自分のパソコンを頻繁に使用される時は、できる限りすっきりとした画面に設定しておくべきと私は考えています。私は「Special Launch」というランチャーを使用しています。また、論点がかなりずれますが、携帯電話の着信音も普通の無難なものにしておくべきと考えています。打合せや会合の途中で、それなりの立場の方が何とも表現し難い着信音設定されている現実に直面すると、それだけでがっかりすることが過去に何度かありました。)  そして、プロジェクト管理に使用しているのが、「がんすけ」です。このソフトも多くのサイトで紹介されています。この「がんすけ」を使ってじっくりと何度も修正を加えながらプロジェクト管理や時間配分を決めていきます。もちろんプロジェクト開始後も予定と実績の乖離をソフト上で反映させるなど、このソフトも極めて重宝しています。私なりの使い方については、今回のエントリがかなり長くなっているため紹介しません。少し使いこなすには慣れが必要でが、慣れてくると手放せないソフトの一つでオススメです。是非、このエントリをご覧になられた方は「壁カレ」・「がんすけ」それぞれ、一度お試し下さい。  参考:窓の杜 - がんすけ」・「vector - がんすけ」  このように、私にとっての「手帳」は「外出先に困らない情報を差込むモノ」、「ダブルブッキングを避けるためのモノ」です。そして、「修正が容易なソフトで他の社員も含めたプロジェクト案件などの時間配分を加味した時間管理を行っている」というのが今の私の現状です。いずれにせよ紛失・置忘れ・漏洩対策が根幹にあり、不用意なモノ・危険性を孕んだ可能性を持つものはもたないという考えが根幹にあります。 (リンクアップ方式の高橋の手帳、「超」整理手帳、そして「黒・赤・青・緑の四色ボールペン」)  ちなみに「eXtreme Gadget (エクストリーム ガジェット) ポケットに入るアジャイルな究極の小道具」というサイトも様々な観点で非常に参考になります。  では、次回は最終回ということで「三色ボールペン活用に挑む」というテーマでエントリし、このシリーズを終えることとします。 「私も参加している起業家ブログをクリック下さい