ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

「ストレスト・ノーニー・E」とネーミングの重要性

 頭痛薬が切れかけていたため、昨晩、自宅近くの顔なじみの薬局に出かけることに。この薬局は、処方箋調剤薬局なので子供たちもお世話になっており、いつも出かけた時は、「お子さん、風邪とか大丈夫ですか?」と気にかけてもらっています。ちなみに、私が通う近くの病院でも、先生の第一声は「子供さん、大丈夫?」であり、私は二の次といった感じです。いずれにせよ、自宅界隈ではやはり「5人の子供を持つ家族」ということで、それなりに有名なことは事実です。

 さて、薬局で頭痛薬を買うついでにカウンターを見渡すと「試供品・無料」というちょっとしたコーナーが。以下、顔なじみの店員さんとの会話。

「これ、もらってもいいですか?」と私。

「どうぞ、どうぞ」と店員さん。

 もらったサプリメントの説明をみると「高コレステロールでお悩みの方に」と書いてあり、まったく該当しない私はカウンターに戻すことに。さらにカウンターを見ると「ストレスでお悩みの方に、すっきりと・・・」といったサプリメントを発見。

「こっちをもらってもいいですか?」と私。

「どうぞ、どうぞ」と店員さん。

「でも一粒だけでは、本当に効果があるか、飲んでもわからないなぁ」とつぶやく私。

「それじゃ、4つ程・・・」と店員さん。

「4つだけでは、まだ効果があるかどうかわからないなぁ」と私。

 その時、ちょうど店長さんが現れ、「いつもありがとうございます。お子さん、お元気ですか?」といつものフレーズが。

「いやいや、このストレス解消、頭がすっきり、というこれを試したいのですがねぇ」としつこい私。

「どうぞどうぞ、一週間分もらって下さい。」と店長。

「いや、どうもスイマセン。ちゃんと次回、頭がすっきりしたかどうかご報告しますので」と私。

「ところで、この試供品、商品自体はいくらするのですか?」と私。

「すいませんねぇ、実は店には置いてないんですよ、今は」と店長。

 なるほど、このような状況なら、いくらでも試供品を渡せるな、と考えつつも、今朝、会社で一粒試してみることに。その前に、じっくりと中身を確認。まず試供品のネーミングに少し驚きました。それが「ストレスト・ノーニー・E」=「ストレスと脳に良い」という強烈かつあまりにもダイレクトな商品名。

 少々、ネットで検索したところ、次のような説明が。

青魚に多く含まれるDHAEPAと大豆に含まれるホスファチジルセリンに、イチョウ葉エキスをプラスした保健機能食品。

本品2粒に、DHA220mg、EPA40mg、ホスファチジルセリン100mgが含まれています。

いつもスッキリした頭でありたいビジネスマンや受験生・お子様、ご年配の方におすすめです。

 50粒で定価3,570円。1日に2粒を目安に飲むとのこと。1粒が約70円。一日140円で一週間分なら980円。何と1000円分も試供品でもらったということになります。

 まだ一粒しか飲んでいないので、スッキリした頭になったかどうか分かりませんが、上述したように「ストレスト・ノーニー・E」とは何ともダイレクトかつ容易には忘れることが無いネーミングであることは確かです。

 過去にも何度か書きましたが、我々が開発した樹木の切口などに防菌用に塗布する「樹木の味方」。これは私が10年以上も前に考えたものです。競合商品である農薬系塗布材は、すべてカタカナで本当は違いますが簡単に言うと有効成分(薬剤)を商品名にしています。例えば、「トップジン・M・ペースト」・「ベフラン塗布剤」など。

 「樹木の味方」は、当初、青森のリンゴ農家向けに販売しており、青森滞在時に、何とか名前を覚えてもらいたいということで付けた名前が「樹木の味方」。単純に樹木の味方になる商品ですよ、という意味合いが込められており、パンフレットにも「一木瞭然」と「一目瞭然」に似せたコピーを付けていました。

(「樹木の味方」の基礎技術は、日本や米国などで特許取得しており、商標登録もしており、お蔭様である程度、日本各地に定着してきました。)

 ちなみに樹木でなく盆栽専用の塗布材も開発して欲しいという盆栽趣味家(愛好家とは言わないのです、盆栽の世界では)の要望にお応えして開発したものが「盆栽の味方」。「樹木の味方」のラインナップの一つという位置づけで、色や粘度を盆栽向けに変えてあります。

(開発には、中小企業総合事業団(現在の中小企業基盤整備機構)の新事業開拓支援助成金ですべてを拠出いただきました。この場を借りて関係各位に改めて御礼申し上げます。)

 また、我々が保有する「最新非破壊樹木診断」で使用する「Picus Sonic Tomograph」(ピカス:樹木断層画像診断装置)も、その装置を使用する際の動作がPicus(キツツキ)に似ていることから、ネーミングされています。

 少し論点がずれますが、今では誰もが知っている「Amazon」。こちらもブランド戦略会社に頼み、このネーミングにしたそうです。ご承知のように「書籍のネット販売」でスタートした「Amazon」ですが、書籍販売だけなら「bookstore.com」などにした方が分かりやすいわけです。しかし、将来的なビジョンとして何でもネットで販売するという方向性を創業者は開業当初から抱いておられたようで、何があるか分からない「秘境」をイメージし、「Amazon」となったわけです。今では、完全に定着した「Amazon」というブランドですが、やはりそれなりの深い考えがネーミングにも隠されていたわけであり、ネーミングあるいはブランド戦略の重要性を示す一つの事例といえるでしょう。

 さてさて、話は「ストレスト・ノーニー・E」に戻りますが、一週間飲み続けて効果があるかどうか楽しみです。大きな変化が私の頭にあるとは思えませんが、信じれば効果があると思えるかもしれません。ちなみに「樹木の味方」・「盆栽の味方」は、効果が現れるまで最低でも3ヶ月は必要となります。こちらは樹木という生き物相手で仕方が無いのですが、頭の痛い話です。

 以上、ここ数日間、ブログ更新すら忘れるほど、仕事に没頭していた私の久しぶりのエントリでした。

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