ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

「COOL BIZ」と「MOTTAINAI」

オフィスなどでネクタイやジャケットを着るのをやめようと環境省が呼びかけているものが「COOL BIZ」(クール・ビズ)。ご存知の方も多いと思います。いわゆる省エネルックという表現がちょっと格好よくなったといったところでしょうか。「涼しく、効率的に、格好よく働く」がコンセプトで、言い方一つでかなりイメージが変わるのは事実だと思います。

また、国会議員の皆様もこの動きに率先しようということ試みがあることは、過日、「私の記事」でご紹介した通りです。さらに、わが国の官房長官もつい最近、何万円かする新しく購入されたノーネクタイのシャツ姿で登場され話題になったこともご存知の方がおられると思います。

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少し話を変えてみます。

「3Rイニシアチブ閣僚会合」(廃棄物を減らす「リデュース」、資源の再使用「リユース」、再生利用「リサイクル」の3Rをテーマにしたある程度、画期的な初めての国際会議のようなものです)が4月30日に閉幕しました。

会合では、持続可能な社会の実現のためには「もったいない」という意味合いをできる限り世界に広め、3R推進していこうといった内容も採択されました。また外国の関係者のスピーチなどでも「MOTTAINAI」が流行語のように使用されたそうです。

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さて、冒頭の官房長官が購入されたノーネクタイのシャツ。

購入されたデパートへは問い合わせが増えたとのこと。また、いわゆるワイシャツでは格好が悪いということでボタンダウンなど、襟元がおしゃれなシャツが売り場に前面に出されているとのことです。

もし私がデパート経営をしていたり、シャツメーカーなら同様のことをしたと思います。

ビジネスチャンスという観点で。

しかし、「もったいない」の精神からすると少々、おかしい話ではないでしょうか。

極論すれば、今、持っているシャツをそれなりに家庭で工夫して、襟元をおしゃれに加工する。あるいは、そういった加工をデパートなどでサービスとしてやることをまず考える。(既に実施されているかもしれませんが)

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「COOL BIZ」。

統一されたコピーやロゴは必要でしょう。だからといって、わざわざ新しいシャツを買うということ。

景気回復や産業の発展には少しはつながるかもしれません。

しかしなぜか「右へならえ」の日本人の癖が見える感がします。

「MOTTAINAI」の発祥の地である日本。

しかし、既にすっかり忘れ去られた言葉になっているように思うのは私だけでしょうか。

そして、経団連会長・行革審会長などを歴任された土光さんなら、どうされたのかなとも思います。

きっと今の官房長官の行動を怒鳴っていたのかもしれません。

今のままでは「かけ声」だけに終わるような気がして残念です。