寝屋川市殺傷事件で思うこと
また、残念な事件が起きてしまった。
私にとっても、そして多くの方にとっても、殺傷された方は見知らぬ方である。だが、無念に思う。
そして、子供を持たれているご家族、教育関係者の方々、行政担当者の方々にとっては、立場それぞれで、他人事ではないだろう。私の場合も、子供が5人もいるだけに、様々な不安を今も、そして将来についても感じている。信じられない世の中になってしまった。
私が小学生の頃、パトカーが学校の前に、登校・下校時に校門前にいたという記憶はまったくない。
忘れられているであろう視点
ご承知のように、過去にも、教育現場では残念な事件が起きている。そして、その後、様々な対策が所轄官庁等でなされている。
今回の事件においても、メディアが報じていることを俯瞰すると、下記の点が概ね論じられている。
1)学校の安全確保
2)少年法の改正の是非
3)子供たちの心のケア
私は、いずれの点も重要であり、大いに議論を深め、効力のある施策・対策を準備していただきたいと思う。
しかし、もう一つ重要な点であり、かつ私が思うに「忘れられている視点」があるのではないかと思う。
それは、
なぜ、このような事件が頻繁に生じるのか、その社会的背景は何か、
このような社会に変えてしまった原因は何か、
という点である。
今回の事件の場合、「小学校」という「場所」が大きくクローズアップされてしまい、上述した根幹的な背景について、まず議論を深めることが、最も近道なのではないかと私は思う。
現在の日本では、今、この瞬間にも殺人事件が起きてもおかしくない状態、いや、この瞬間に日本のどこかで殺人事件に近い事件は起きているであろう。
大きく違うことは、場所が「教育現場」ではなく、公道であったり、家庭内であったり、その他様々な場所である。
ただ、「人間を殺める・殺めようとする」行為に変わりはない。
特に、近年は「青少年の凶悪犯罪」が多発している。具体的なデータは無いが、誰もが納得いただけると思う。新札の偽造も、私から言わせれば「凶悪犯罪」の一つである。その他若年層が罪の意識も無く、犯罪だという自覚すらなく、様々な事件を起こしている。私はこれらの事件も、「青少年の凶悪犯罪」の範疇に入れるべきであると思う。
私は青少年だけが悪いと言っているのではない。このような状況を作り上げた社会全体が悪いのではないか、と言っていることをまず承知いただきたい。
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少し論点がずれたので話を元に戻す。
今回は、上述したように事件の発生場所が「小学校」であった。よって、上記3点が焦点になりやすい。このことについて、批判・非難するつもりも私には無く、かつ批判する必要も私は全く感じていない。
ただ、
なぜ、これほどまでに、青少年の凶悪犯罪が頻発しているのか、
重複するが、その社会的背景・原因を
熟慮し、様々な対策を講じることが、
もっと重要な点ではないかと私は思う。
私がいつも、このブログで叫んでいるように、「Environment」という大きな意味での「人間環境・社会環境」の変化、あるいは改善を行うには、どうすれば良いのかについて、個々が見つめ直す時期が既に到来していることを私は言いたい。
全省庁横断型で
新潟中越地震や台風などは、各省庁がそれぞれの立場で、支援策実施や各種情報を流していた。これは、各省庁が関与すべき程の「生活すべて・ライフライン」に関わる甚大なる災害であったからだと私は思っている。
換言すれば、各省庁とも「やらざるを得ない」あるいは「やるべきこと」が、これらの災害では存在していたわけである。有無を言わさず、様々な対応をせざるを得なかった状況にあったわけだ。
しかし、今回の小学校の事件においては、「文部科学省・警察庁・法務省」ぐらいが関与しているだけではないだろうか。もちろん、各地の教育委員会・教育現場・地域の方々も含めて。
要するに、今回の事件を「事件」として捉えているだけに過ぎないのではないだろうか。
もちろん、「事件」である。しかし、上述したように「社会問題」でもあると私は思う。そして、「社会問題」であるからこそ、可能であれば、ある程度の数の省庁が関与し、議論を深めていく必要があるのだ。
どのような事象においても「縦割り行政」で、各省庁の連携はとられていないと思われる方も多いだろう。私も、その人間の一人である。
しかし、ボトムアップの構造が成立していない、慣れていない日本である。そして、ボトムアップの構造が成熟するまで待っていられないほどの「社会問題・今そこにある危機」だと私は思う。まずはトップダウンで対応せざるを得ない。
よって、可能であれば、
今回の事件を契機に、大きな日本が抱える問題として、
各省庁が省庁の枠組みを超越し、
真剣に議論する横断型の場を構築することを
私は心からお願いしたい。
そうすることによって、救われる命が存在するかもしれない。そして、一般の我々も目を向けるだろう、トップが一体となって、懸命に実行した時には。
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最後になるが、
省庁に勤務されるお役人の皆様も被害者になる可能性がある、これ以上の悲しみを増やしたくない、
奪われた命は取り戻せないということをご承知なら、
私の提案を考慮していただいても良いのではないだろうか。
いつも言っているように、郵政が民営化されても、そう簡単には命を落とす可能性は低い。可能性が全く無いとは、私は思っていないが。
なぜ、この国は、「優先順位」というものを理解していないのか、本当に残念に思う。