ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

チャンスをつかむ

私のブログをご覧いただいている方は、私が過去にかなりの壮絶な経験をしたことをご存知だと思います。

そして、壮絶な中、生きていくために、衰退した樹木の回復、保護という事業を私の父と弟と親子3人で続けていました。

私は、青森で自社開発した緑化資材を販売し、父と弟は京都で、お寺や神社に樹木回復事業の営業を続けていました。元ホテルマンの父、元ハウスメーカー営業出身の弟です。何の樹木や造園の知識も実績もありません。

ご理解いただけると思うのですが、衰退している樹木が回復するまで一年間は最低、必要となります。よって事業開始の一年間は、実績づくりのため、ほぼ無料に近い形で樹木回復事業を実施しました。

そして一年後。ほぼすべての樹木が回復し、お客様の評価を頂戴し、再受注につながりました。

その後は、お客様からも、ある程度のお金をお支払いいただき、お蔭様で、お客様からのご紹介などで、事業は少しずつ展開していきました。

そして、約三年後の冬に、東京でベンチャー企業がいっせいに集まるフェアに参加しました。

その時、ある京都のベンチャーキャピタルの方が我々の出展ブースに来られ、京都でゆっくりとお話をしたいと言われました。

ベンチャーキャピタルの方は、当社に投資・出資したいと言っていただきました。そして、できるだけ早く事業計画など、投資に必要な書類を作って欲しいと依頼がありました。

私は半年間、悩みました。投資を受けるということは株式公開をしなければならないということです。

樹木の回復事業で、株式公開できるような企業になれるのか、また私にそのような経営能力はあるのか。

そして、やっと一つの結論に至りました。

壮絶な、どん底を経験し、将来がまったく見えない中、約三年間、事業を継続してきました。その努力が、もしかしたら、この投資というチャンスを誰かが与えてくれたのではないかと。

株式公開ができるできないに関係無く、「チャンスをつかむ」ことを逃す必然性は無いのではないか。

私は、「チャンス」というものは、どこにでも飛び交っているというのが持論です。それを「チャンス」として見抜く力、「チャンス」として掴む力が経営者、あるいは人間の力量の一つと思います。

そして、半年後の忘れもしない祇園祭の真夏の日に、投資が決定しました。その後、お蔭様で少しずつではありますが多くの方と出会い、多くの方に応援され、ここまでやってこれました。

株式公開というハードルはまだまだ越えられそうにはありません。しかし、あと数年後、あるいは私の人生の中で、「あの時、チャンスをつかんで良かった」と思うことができるように、毎日、努力しつづけたいと思います。

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