ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

スポーツで子供の夢を壊さないために

今、プロ野球問題が揺れています。日々の如く。「ライブドアシダックス楽天」各企業様が参入の意向・検討を示されています。そして、この問題は社会問題にまで発展し、ブログでも盛んに皆様の意見・主張が飛び交っています。今や、子供たちでも知っている問題にまでなっていると思います。

昨日、ある方とお話をさせていただきました。まったくプロ野球問題にも関係無く、長い付き合いのある方と当社の仕事がらみの手続きに関する打ち合せ中の、雑談の中での話題です。

ある方(以下、Aさん)との会話の流れは以下の通りです。

私: Aさん、ご家族はお元気で?

Aさん: お蔭様で元気にやってます。実は、うちの小学3年の次男は、もとから「鉄棒」が得意だったのですが、今年のオリンピックの日本代表の活躍で、俺もオリンピックに出るぞ!!、と宣言しまして・・・

そこで、Aさんは、次男様の夢をかなえるため、京都中のいわゆる「体操関連」のスポーツクラブに、電話をかけられ、そして、とある高校が年会費2万円のみで「体操教室」を年齢に関係無く、運営されているところを見つけられました。現在、そこに次男様は、ここ数週間、ほぼ毎日のように通っておられるとのこと。

Aさんのお話で意外だったのは、年会費を払ってから、毎日、ご子息が通っておられるのでなく、数週間経っても、まだ、上記の高校は、何の費用も請求されていないとのこと。

そして、この点についてのAさんの答えをまとめると。

そこの「体操教室の方針」だそうです。

小学生・中学生・高校生が一緒になって体操を学んでいるこの教室。体操に欠かせない、身体を柔軟にするトレーニングがきつくて、途中でやめていく子供たちが多いそうです。

これは、オリンピックで日本の体操チームの活躍に感動し、オリンピック選手になろうと決意した子供にとって、「体操選手になることは、そんなに甘くない」という現実をすぐさま知ってしまうことと一緒です。

子供にとって見れば、夢から現実、そして「はじめての挫折」を経験することと同じです。要するに、感受性の高い子供達に、どんなスポーツを通じてであれ、「挫折・失敗といった経験だけ」を10代未満の彼らにできれば与えたくないという姿勢。

そして、「挫折・失敗」を乗り越えて、「挫折・失敗」から、これを「夢をかなえる努力の過程」と身体で感じ取ってもらうための努力を「体操教室」の監督やコーチ陣が必死に行い、それを受け止めることができた子供たちに、はじめて年会費を支払ってもらうというのが、この「体操教室のスタンス」ということです。

小・中・高校生と、各スポーツクラブが存在します。私も、小学生からサッカークラブに入り、小学6年の京都府陸上競技大会では、100m陸上で、京都府内で決勝進出を果たしました。しかし、サッカーを小学生からやり過ぎて、高校一年生のある朝、「足が動かない、歩けない」状態に突然、陥りました。

高校生まで、スポーツが得意だったと自負していた私、そして何の挫折の経験も無かった私が、「初めて経験した挫折がスポーツだった」わけです。ドクターストップがかかり、クラブ活動もできずに、学校が終わるとすぐに帰宅するというおもしろくない毎日を過ごしていました。

オリンピックの日本選手の皆様には、私も含め、子供たちにも大きな夢を与えてくれました。そして、今日、ご紹介した鉄棒選手になってオリンピックに出たいと思い、実際に行動に移した子供さん。

そして、体操競技に限らず、様々なスポーツ分野で、同様の行動に出た子供たちは、たくさんいると思います。そして、挫折や失敗も既に経験し、すぐにあきらめた子供たちもいれば、それを乗り越えた子供たちも多くいると思います。

大切なこと・・・

それは、大人が「夢」だけを見せないことです。現段階では「構想」といった表現しかできないと思いますが、「構想」を「夢」ととらえるのが通常の人間だと思います。

今、プロ野球問題は、ここ数ヶ月で、大きく動き、「夢」が見えるところまで来ました。野球ファンの皆様や、プロ野球選手、そして球団を支える裏方の方々も含め。この「夢」・「構想」を「現実化」していただきたいと思います。多くの方々に「挫折を味わってしまう結果」になることだけは避けていただきたいと私は考えます。

人生には、様々な挫折があり、それを乗り切ることは人間として、基本です。しかし、第三者に夢を見せられ、実際は、裏切られる結果となることは「夢」を見せた人間は避ける努力をしなければなりません。今、「夢」や「希望」を感じている子供たちに、裏切るようなことがあれば、もう一度、このような問題が起きても、もう、「夢」とは感じないでしょう。

長期的に見れば、将来の野球を含め、日本のスポーツ界を背負うのは、今の子供たちです。プロ野球問題は、スポーツ選手を目指す、すべての子供たちに影響を与える重大な動きであると私は思います。もちろん、スポーツ選手を目指している子供さんがおられるご両親も、残念な結果になった場合、様々な心理的なフォローは必要だと思います。もう一度「夢」であると子供さんが自覚できるように。

しかし、ご両親のフォローにも限界があると思います。そのためにも、今、「夢」から「実現の第一歩」までたどりつつある、大人達に、「現実化」・「実現」を期待します。

今回の私のブログ、極めて抽象的・感情的で理解しにくい面もあるかと存じます。また表層的な意見で、異論反論もあるかと思います。