樹木診断、最新兵器登場
過去のブログで樹木の内部構造がすぐにわかる測定機器をご紹介しました。「NPO法人グリーン・エンバイロンメント」が実施した、徳島天然記念物調査について再度、ご紹介しましょう。
さて、測定機器、詳しくはPICUS Sonic Tomography(ピカス 弾性波樹木断層画像診断装置)というものです。
今まで樹木診断には「レジストグラフ」、「デジタルマイクロプローブ」といったものがあったのですが、内部構造が画像で現れるのではなく、簡単に言うと内部の状況がグラフで表示されるだけでした。
(これはこれで、画期的なのですが)
さて、「当社」はこの機器を使って大きなビジネス展開を考えていますが、まずは、どんなものかについてご紹介いたします。
これは、ある公園のサクラを測定した記録です。
さて、この写真のサクラ、一見、元気そうに見えますが。
PICUSを使うとこのような画像が出ました。
青色が空洞部分、赤色が腐朽部分、緑色が腐朽進行中、茶色が健全部分です。画像を見るとこのサクラの中は、ほとんどが空洞だらけ、台風でも来たら倒木の危険性があるということです。
とりあえず、危険性という観点から公園の担当者には、サクラ根元周辺に駐車させるのは危険ですとだけはお伝えしておきました。
さて、全国の貴重な樹木、巨樹・巨木、一見、元気そうに見えても、そうではない可能性が十分にあるということが、画像というはっきりした結果で見ることができることになります。
人間も元気そうに見えて、定期検診・精密検査をしたら病気が見つかったということは多々あることです。人間よりもはるかに長生きしている貴重な樹木達。
定期的な樹木診断は国として取り組むべき課題でもあります。また、自治体や企業も植樹することよりも、永年、生き続けてきた人生の先輩である樹木達にもっと目を向けるべきだと思います。