ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

ある一晩の出来事、そして子供達の成長と妻に感謝

子供達、妻への感謝


 数週間前、三男が咳をしているのを見て、妻に聞いた。
妻曰く、三男は最寄りの病院で「副鼻腔炎」と診断され、薬を飲んでいるとのことだった。

小学校を休んだ三男

 その話を聞いた一週間後の朝、三男が、朝に突然、吐いたので、今日は小学校を休ませると妻から伝言があった。その日は、中学2年の次男がテストで昼には帰ると聞いており、午前の数時間のみ、自宅に三男が一人だけになる状態だったので何とかなると思っていた。

 会社から、私は昼間に一度、自宅に電話した。
 あまり元気には聞こえなかったが、三男は、「大丈夫」と答えた。熱も無いとのこと。何かあれば、「お父さんの携帯へ電話してね」とも伝えた。

 その後、次男が帰宅したと思われる頃に、再度、電話した。
 次男に「近くの自動販売機で三男君が欲しいと思うジュースを買ってあげて」と依頼した。次男は、即座に「分かった」と応じた。次男も三男の様子がおかしいことを理解していた。

一度、自宅へ

 過去の経験から何かおかしいと気になった私は、仕事が一段落した、その日の夕方、16時半頃に、自宅へ様子を見に行った。

 三男は寝ながら、テレビを見ていた。

 「大丈夫か」と聞くと、「冷たいお茶が飲みたい」と彼は言った。

 お茶を飲み干した姿を見た私は、「お父さん、今日はできる限り、早く帰るからね」と言い、会社へ戻ろうとした。その瞬間、彼は、洗面器に飲み干したお茶をすべて吐いた。

 背中をさすりながら、再度、「大丈夫か」と聞いた私。「大丈夫」と応じた三男。

 業務時間中であり、自室にいた次男に、三男に異変が起きたらすぐに電話してと伝え、10分程度の自宅滞在で帰社した。

妻への報告、そしてメール

 帰社し、17時過ぎに、上述した状況を妻にメールした。その後、17時半頃、妻から私の携帯に電話があった。

 「できる限り早く帰宅して」と。

 妻も三男に電話をしたようだ。ただ、私がメールで伝えた後から、三男は急速に悪化していた。妻は三男との電話の応対で直感したようだ。

 妻にメールで「何とか早く帰る」と返信した。

 ただ、いくら私が社長でも、最低でも18時までは会社にいなければならない。焦燥感を抱きながら、やるべきことをやり終え、18時半過ぎに帰宅した。

帰宅から緊急外来へ

 私が帰宅した30分前に妻は帰宅していた。

 そこには、16時半頃に見た三男の姿でなく、動くこともできず、呼吸困難と胆汁を吐き続け、倒れこんでいる小学6年生の三男の姿があった。

 私は即座に駐車場から自宅前に車を停めた。

 そして、長男と次男に「今晩の夕食は、レトルトのカレーを温めて食べて。それから食器洗いも自分達でするようにして」と言った。長男、次男は三男の様子を見ながら無言で頷いた。

 妻が三男を背中に背負い、私の車へ。ただ、車に乗る直前にも三男は吐いた。

 妻も私も、背中をさすりながらも「早くお医者さんに行こう、その方が楽になるから」と三男に声をかけ、やっとのことで病院へ向かった。

緊急外来到着

 大手病院の緊急外来に19時過ぎに到着。
 容態を見て、お陰様で優先的に診察を受けられることができた。

 レントゲン・点滴、その他、色々と。

点滴の始まり

 点滴の間、仕事で疲れている妻と久しぶりに十分にいろいろなことを会話した。ある意味、有意義な時間でもあった。

 そして、私は自宅へ電話した。21時頃だったと思う。

 食事は終わり、食器も洗い、全員、風呂に入ったと次男が応じた。

 私は一度、自宅に戻ることとした。洗濯機に入っているものを干すために。途中で、コンビニで軽食を購入した。この日、私は何も食べていなかったからだ。

一時帰宅

 21時半頃に帰宅した時、本来であれば末娘は寝ている時間帯だが、全員、起きていた。

 風呂場も綺麗に掃除されており、レトルトのカレーで油まみれの食器も綺麗に子供達は洗い終えていた。

 「今晩中には三男君とお母さんは帰るから、もう寝ていいよ」と子供達に伝えた。この一言で安心したのか、子供達は眠る用意を始めた。

 私は、前日の洗濯物を戻し、そしてその日の洗濯機のスイッチを入れた瞬間に携帯が鳴った。

 「あと30分後に、点滴が終わりそうなので、迎えに来て」という妻からの電話。

 私は洗濯云々は忘れ、病院へ行く用意をした。そして、出かける直前に、再度、子供達に「三男君とお母ちゃんは今日中に帰ることが決まったから、もう寝て下さい」と伝えた。

緊急外来、再到着

 深夜のため、渋滞も無く10分程度で病院に到着した。22時過ぎだったと思う。

 ただ、30分後に点滴終了のはずが、私が到着した時点で25%程のみ。妻は極めて疲れている様子だった。19時過ぎから22時まで、三男を見つめていたのだから。

 23時半頃、やっと点滴が終了した。寝ていた三男を起こし、帰路へ。

 食後に一錠という薬をもらったため、私がコンビニで買った軽食を三男は食べ終え、水分を摂った。30分後、吐くことも無く、大丈夫と判断し、薬を服用。本来、私の夕食であったコンビニ軽食だったが、逆に軽食を事前に購入して良かった。

 その間、妻は明日の準備をしていた。

 「本当に、お疲れさまでした」と私は妻に一言。

 その後、薬を服用後30分程度、見守っていたが、三男は変化無く、眠りに就いた。

 そして、妻も眠った。

 私は、1時間程度、再度の異変に備え、起きていたが、何も無かったため、私も眠った。極めて空腹ではあったが。

最後に

 今回のような、病気で緊急外来、入院などは、他の子供達も何度も経験済みだ。ただ、過去は、私と妻が自宅不在の場合、私の母親が面倒を見てくれていた。

 そして、子供が入院した場合、小さなベッドで妻は何度も添い寝をしてくれた。

 それが、長男が高校1年、次男が中学2年となると、申し訳ない気持ちはあるが彼らに託すことができる。そして彼らはそれに応えてくれる。

 いつになっても、私の子供達は、生涯、私の子供。

 ただ、親も子供達も、年齢を重ねるに連れ、託せること、そして彼ら彼女らが何も言わなくとも異変に気付き、自ら臨機応変に対応してくれる状況にある。

 子供達に感謝。そして、妻に最も感謝をしたい。

 そして、お陰様で、良き家族に恵まれていることにも感謝を。

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