ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

本当に賢い人は本当に大切なことを知っている人:まもなく高校受験の長男君へ

長男受験

 ご承知のように、我が家には5人の子供がおります。

 お陰様で全員、真っ直ぐに成長しており、この4月に長男は高校生。今週金曜日が高校の試験、いわゆる最後の難関があります。

 毎晩、22時頃まで、長男は勉強で、遅い時は、23時まで勉強しています。最近はもうやり尽くしたような状況で、それはそれで良いと思っています。

 少し私のことを吐露しましょう。

 私自身は中学受験。とある私立中学に合格し、制服も購入済み。ところが数日後に、第一志望の中学から電話があり、「補欠」で合格だが、入学しないかとの連絡が。母から結論を迫られ、補欠ながらもその中学へ入学。
 その後、高校・大学と階段を上がり、バブル絶頂の頃、唯一、同級生の中で私だけが就職せずに米国のビジネススクールへ。もちろん、中学時代から英語が好きで、そして高校時代には米国へ行くと決めていましたので、それなりに大学時代も勉強しました(ビジネススクールには日本の大学の成績も反映されるため)。

 そして、紆余曲折の人生を歩み、なぜか社長に。

 ただ、基礎的な経営というものはビジネススクールで知識として得ましたが、机上の理論であり、駆け引きばかりの本当の経営に役立っているかといえば、残念ながらそうではないというのが実感です。もちろんビジネススクールの存在や私がそこで学んだ過程を否定するわけではありません。
 本当に毎日20時間程度、勉強し続けた若かりしあの頃を、もう一度、今やれと言われても無理な話です。

 さて、長男君へ。

 高校受験については、お父さんは「勉強しろ」などと言ったことが無いことは、君自身が最も良く知っていること。「寒くないか」くらいでしょう、お父さんが今までに君に言ったことは。

 ただ、受験が終われば、伝えたいことがあります。それは、「賢い人とは、豊富な知識や教養を持つ人ではなく、本当に大切なことを知っており実現している人」ということです。

 長男君、高校受験の結果がどうであれ、そして君のこれからの長い人生において、社会人5年間くらいまでは知識を得ることが日々の基本となるとお父さんは考えています。
 社会人になっても5年程は、いろいろなことを学び、その後、自分なりのスタイルで仕事がやっとできるということです。いわゆる一人前というものかもしれません。
 そして、教養も大切です。今、世界で何が起きているか、その歴史的背景は何かを理解するためには教養は必要です。

 ただ、どれほど豊富な知識を持っていても、どれほど教養にあふれていても、向かう道が間違っていれば、意味がありません。時には、豊富な知識を持っているがために悪い道へ歩む人も世の中には多数います。

 だからこそ、本当に賢い人は、本当に大切なことは何かを知っていて、それに向かって実現すべく邁進している人、実現している人だと、お父さんは考えています。

 まだまだ長男君には難しいことを言っているとお父さんは思っています。ただ、高校生になり、大学生になり、社会人になるまでのこれからの道のりにおいて、知識や教養を得ると同時に、これらを如何に「大切なこと」に向かって歩いていくか。
 「大切なこと」は人それぞれです。ある人にとっては大切でなくとも君にとっては大切なことかもしれません。何が大切かは君が決めればいいのです。

 そのための第一歩が、数日後にある高校受験なのかなと思っています。
 数ヶ月前、暑い中をお母さんと共に10ヶ所以上の高校を訪問し、この高校に決めたのは君の意志です。この高校で歩いていこうと考えたのは君です。

 長男君、君は既に「大切なこと」を一つ、自分で決めているのです。それだけでもお父さんは嬉しく思っています。

 長男君、落ち着いたらゆっくりとお父さんと二人だけで話ができればいいですね。

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