ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

橋下大阪府知事が、明日からでもすぐに実行可能な収入増加策

お金  橋下大阪府知事が就任し、1ヶ月程度が経過しようとしている。出馬前の騒動はさておき、就任後の功績は何だろうか。唯一の実績、それが「大阪府民との財政危機感の共有」だ。  以下、「橋下大阪府知事がわずか1カ月で上げた大きな功績 - ビジネススタイル - nikkei BPnet」より一部引用する。
 大阪の財政再建にとって最も重要なことは、財政の危うさを府民が自分のこととしてどこまで強く意識できるかだ。自分自身が借金まみれで自己破産の瀬戸際に追い込まれれば、誰だって真剣になるだろう。生活そのものを見直し、人生をやり直すためにどうしたらいいか、必死に考えるだろう。だが自分の住んでいる自治体の財政が破綻寸前だと聞かされても、ピンとこない。知識として財政の危うさを認識することと、リアルな危機として強く意識することとはまったく違う。 (一部割愛)  橋下知事は就任からわずか1カ月で、財政再建にとって最も重要な「危機感」の醸成に成功している。地元のテレビや新聞への出演を通じて橋下知事がアナウンスした「財政危機」コールは、大阪府民の意識を大きく変えてしまった。日ごろからニュース報道に携わっているアナウンサーでも、「こんなに大阪の財政が危ないなんて知りませんでした」と言うほど。事実、大阪は「阪神」でも「吉本」でもなく「財政危機」が大ブームになっている。 (一部割愛)  まだ1円の財政支出カットもできていないが、府民自身がまず危機を持つという最も重要なプロセスが既に出来上がってしまった事実は、すごい。  府民の危機感なしに、知事は戦えない。府庁の人員合理化、予算のカット、増税財政再建は「痛み」を甘受することである。どこまで府民に我慢してもらえるか……そこに尽きる。  もちろん縮小均衡だけでは大阪府は死んでしまう。もう一方で、大阪経済を拡大し、府民を鼓舞する前向きな施策も同時に行っていかなければならない。しかし、何をさておいても、重要なこと、それは「危機感」の共有だ。1カ月でそれを成し遂げたということは、「メディアの寵児」であることの強みを、新知事は最大限に生かすことに成功したということだろう。最良の出発だ。
 このように、京都人の私にとっては、どこまで浸透しているか定かではないが、大阪府民の相当程度の人々が財政に対する「危機感」を抱いたと私は推測する。そのきっかけづくりを意識的なのかそれともこれしか争点が無かったのか、いずれにせよ就任後、新しい知事は叫び続け、成功した。この点については私も上記引用記事に同感だ。  ただ、問題は次の重要なステップ。いわゆる大阪府財政再建の具体策の話だ。ちなみにこれから披露する私の提言は極論であるが。  まずは、前の大阪府知事であった太田氏の話をする。  前知事は、選挙前にいわゆる「政治とカネ」の問題が露呈し、出馬を断念された。  特に、前知事が中小企業経営者らでつくる懇談会の会合に講師として招かれ、一回当たり50万円から100万円程度の謝礼を受け取っていたことはまだ記憶に新しい。金額の大きさもさることながら、これら中小企業経営者の一部の企業が府の事業を受託していたことも判明した。講師料100万円を支払う側にとってみれば何らかの「便宜」を期待していることは誰が見ても当然の話であり、当然の結果ともいえる。  さらに話題が変わるが宮崎県の東国原知事の話だ。  彼はあらゆるメディアに露出し、宮崎県を宣伝した。彼の口調は流行語にもなり、かつそれなりの経済効果を宮崎県にもたらした。彼の今のスタイルがいつまで効果があるかは不明だが。  ただ、何かの番組で、メディア出演は公務であり、出演料はすべて県の収入になると東国原知事は言われていた記憶がある。公人であり出演料はそれほど高くないとも言われていた記憶もある(ここらあたりは曖昧であるため間違っている場合はご容赦いただきたい)。  さて、この二人の知事の事例から、何らかの「便宜」が見込める可能性があれば1時間程度の講師料が100万円も支払われるという事実。一方で、知事という公人のためメディア出演は公務に該当し、少額の出演料しか支払われないという事実が透けて見える。  しかし、東国原知事が出演すれば、少なくとも現時点ではそれなりの視聴率がとれるだろう。換言すれば、「高視聴率」という大きな「便宜」が存在しているということだ。しかし、公人・公務という名目によって出演料と視聴率が残念ながらアンバランスな状態になっている。  さて、やっと本題に入る。  今、橋下知事の頭の中には、無駄なコストのカットしかないと私は考える。無駄な支出を探し、必要であれば最大限に削減し、それでも府の再建不可能と考えれば、自らの給与だけでなく職員の給与をカットすることも検討するだろう。  企業経営で考えても、売上を伸ばすよりも販管費などのコストを削減する方が早い。ただ、企業は売上を伸ばすことももちろん考え、努力する。そうでなければ経営を続ける意味も無ければ存在意義も無い。  よって、企業経営同様、コスト削減ばかりではなく、知事が売上を伸ばす行動に出ればよいのだ。それも目に見える形で。  橋下知事は弁護士でありながらも過去にタレント業として多数の番組に出演されてきた。またその知名度を活用し全国で講演もされていた。その収入は1億円近いとどこかのメディアで見た記憶がある。  そこで、公務としてメディアに出る場合であったとしても、橋下知事はタレント時代の出演料と同程度の額をまず要求すべきだ。そして、出演料すべてを大阪府の売上として大阪府の収入にすればいい。講演料も同じだ。大阪府全体の再建としては微々たる額かもしれない。ただ、知事自ら売上を計上することに意義がある。  もちろん、メディアや講演依頼側は、「あなたは、もはや知事であり、タレントではなくその場合の出演料の相場があり、それを破るという前例はつくりたくない」と相手は徹底抗戦の構えを見せるだろう。  しかし、橋下知事は知事であると同時に商売上手な「大阪人」だ。「そんなことを言うのなら一切、あなたの局には出演しません」というか、「いや、そこのところをタレント時代のお互いの・・・」などとあの手この手で交渉すればいい。  タレント時代の出演料同額は無理なことは百も承知だ。ただ、知事、いわゆる企業で言えば社長自らが売上を稼ぐ努力を見せ、それを実現し、大阪府の収入として実現させることこそが先に述べたように極めて重要なことなのだ。  知事就任後、いつも「財政危機」・「支出はできる限り減らす」と言い続ければ、いつか人の心は離れていく。危機感の共有が薄まることで、今からでも予測できる話だ。  だからこそ、メディアに露出する機会を増やし、それなりの出演料を頂戴し、その金額を公にすると共に、すべて大阪府の収入にすることで、「あぁ、知事が率先してカネを稼いでる」と大阪人は納得し、大阪人の心を引き付け続けられる。もちろん、出演料の交渉過程も公開すればいい。極論だがそれこそ「出演料の入札」をすればいい。  元タレントであり、商売上手な大阪人という好条件であるからこそ、できる話であり、極論と思われる方も多々、おられるかと思うが、明日からでもできることだ。公務ではなく一人のタレントとしてバラエティ番組に出演されてもいい。その立場の方が出演料、いわゆる大阪府の収入も増加するだろう。  法律上の問題があるかもしれない。知事がバラエティに出るとは不謹慎と野党が問題視することも予想される。しかし、大阪府が破綻する方がはるかに大問題だ。そこまで知事が率先して日銭を稼がなければならないことを見せることで、「危機感の共有」は引き継がれていく。  再度になるが、「何でもカット」を言い続けると人々はある時期になると「うんざり」としてくる。そして大阪人は、一度、少しでも嫌いなところがあれば、極端に全体が嫌いになる人々であることは橋下知事もよくご存知のはずだ。  我が京都の知事には実現不可能な話だけに悔しいが、明日からすぐに出演料交渉を始め、できる限り早く、そして高い出演料を大阪府の収入として獲得されればと橋下知事のこれからの現実的な活躍に期待したい。「高視聴率」という「便宜」をもたらすことができる時間はそれほど長くはない。そして、政治という初体験の現場で橋下知事の価値を如何なく発揮できる唯一の策は、これしかないと私は思う。 ※「ベンチャー社長ブログトップ10位をクリックで確認 ※「特選された起業家ブログ集トップ10位をクリックで確認 ※「新進気鋭アーティスト:鉄人Honey、下記画像をクリック」