ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

子供たちには見えない有刺鉄線が欲しい

 この二週間に私の自宅周辺で3つの事件が連続して起きている。  一つ目は、過去のエントリで冒頭に書いた「郵便局の局長を狙った強盗未遂」で犯人は刃物を持っていたが逃走した。二つ目は、白昼の商店街での傷害事件。そして、最後は地元のスーパーでの強盗。閉店後の22時頃に包丁を突きつけ、副店長を脅し500万円を奪って犯人は逃走した。いずれの犯人もまだ捕まっていない。  最初の郵便局の事件は、朝の通勤時間に起きたもので、郵便局の前を車で通った私は間接的に事件を見ていた。その日から週末まで子供たちは集団下校となった。  そして、郵便局の事件発生後の次の週初め。  15時頃の打ち合わせのため、会社付近の駐車場へ向かうと、なぜかバイクに乗った警官2人が周囲を窺いながら走っていた。何かあったのかと思いながらも、私は車に乗り、打ち合わせ場所へ向かった。しかし、途中で駅裏にもバイクに乗った警官が周囲を見渡していた。  私は車から降り「何があったんですか」と警官に聞いた。彼は、駅前の商店街の路上で昼過ぎに事件があったと短く答えた。胸騒ぎを覚えながらも私は、打ち合わせ先へ車を走らせた。  会社付近での打ち合わせは問題なく終わった。終わったのが17時前。すぐに私は自宅へ向かった。本来なら帰社すべきだったが、私は自宅へ向かった。自宅には、次男と三男が帰っていた。17時までには遊びから帰ることと我が家では決められているからだ。  「お兄ちゃんは?」と彼らに聞いた。「公園に行った」と子供たちは答えた。携帯電話が示す時刻は16時58分だった。私は、自宅にいる子供たちに絶対に家を出るなとだけ言うと、車で3分程の子供たちがいつも遊んでいる公園へ向かった。  公園に長男はいなかった。しかし、長男の友達たち数名がまだ遊んでいた。彼らは私が長男の父親であることを知っている。何度も彼らと一緒に遊んだ顔馴染みだ。彼らに聞くと長男は直前に帰宅したと言った。私は残った彼らに「郵便局みたいな事件が昼頃に、また近くで起きた」と伝えた。  彼らも小学校で郵便局の事件を聞かされていたのだろう。驚いた様子と共に「またか、怖いなぁ、早く帰ろう、すぐに帰ろう」という言葉と共に、彼らは自転車に乗って自宅へ戻った。私も「みんなで一緒になって帰れよ」と彼らの後姿へ言葉を残し、車に乗り込んだ。  車の中から、携帯で自宅へ電話した。長男が電話に出た。無事、帰っているという事実だけ確認すると、すぐに電話を切り、会社へ戻った。そして、それから数日、何事も起こらなかった。普通なら当たり前のことだ。  しかし、3日前の夜。  スーパーでの強盗事件が発生した。このスーパーは、中規模のチェーン店で並列してホームセンターもある。週末にこのホームセンターで買い物をしたばかりだった。スーパー自体も夜9時45分閉店と遅くまでやっているため、仕事の途中で夜食を買いに行くことも何度もある。  強盗事件が発生したことを知ったのは翌朝の新聞だった。妻と二人でその晩、新聞を見ながら、最近の連続した事件について少し話をした。一連の事件は、金が目当ての事件であり、子供が目的ではないことに我々は僅かに安心すると共に、郵便局長を襲い未遂で終わった犯人が、最後にスーパーで強盗に成功したのではないか、などと話をした。いずれにせよ、3つの事件はすべて半径1キロ以内で起こっていることだけは事実だ。  多くの場合、私は22時過ぎ頃に会社を出る。遅い時は23時前になる。しかし、事件が連続し、まだ犯人が一人も捕まっていないにも関わらず、深夜の帰宅途上で検問や警官の姿を見たことが無い。本当に警察は捜査をしているのだろうかと思いながら、最近は帰宅している。  もちろん、警察を信頼できるとしても、完全に子供たちの安全を委ねることは無理な話だ。保護者や地域、学校、そして子供たちの安全への自覚それぞれが一体となることも必要だ。  ただ、今まで経験したことのない連続した事件の発生に、私は「悪者にだけ見える有刺鉄線」があればと願っている。途方も無い話かもしれないが、子供たちには見えず、悪者にだけ見える有刺鉄線が存在すれば、少しは安心できるのではないだろうか。  目の前に、手の届くところに子供がいても、悪者が一歩踏み込もうにも有刺鉄線があって踏み込めない。しかし、無邪気な子供たちには存在しない有刺鉄線。そんな境界線があれば、子供を巻き込んだ今までの多数の悲しい事件がいくらかは減っていたかもしれない。  荒唐無稽な話である。ただ、善と悪を明確に区分する境界線は目に見える、見えないは別として何らかの形で必要では無いだろうか。逆に善と悪が、かなり曖昧な時代になった今こそ、明確な境界線、有刺鉄線が必要だ。  子供たちのためだけではない。善悪の区別を見失いがちな我々大人のためにも必要だと私は思う。
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