ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

「Google Scholar」は、やはり便利ですが選択眼も大切です

 研究者の方々など、アカデミックな分野では知っておられる方は、何を今さらと言われるかもしれませんが、一般の方々には、まったくご存じない方もおられるかもしれないもの、それが「Google Scholar」。  簡単に言えば、学術的な論文や研究データを専門に検索できるGoogleのサービスの一つです。例えば、「Google Scholar」で「小島愛一郎」と入力すると、1件のみ検出されます。いわゆる通常の「Google」ならば、「小島愛一郎」と入力すると約24,200件と表示され、表示されたサイトへアクセスするとしても20件か30件程度でしょう。  もちろん「Google Scholar」で私の名前を検索してもまったく意味が無く、例えば、「樹木 診断」といった検索語句や、「Tree Surgery(樹木治療といった意味)」で検索すると日本語だけでなく海外の論文記事の要約や引用先、PDFでのデータのダウンロードなど、様々な角度で情報を得ることが可能となります。  農業や林業(これらの分野は産業として形成されており、それなりに研究成果があります)ではなく、樹木、それも単木での病害などは、日本では農業や林業分野と比較すればあまり研究がなされておらず、情報が欲しい場合、海外文献を「Google Scholar」で検索します。もちろん、病原菌や樹種名(例えば一般的にサクラならPrunus)が英単語で分かっている必要はあります。  我々は、「ドイツ製の非破壊で樹木内部を画像化できる診断機器」を保有しています。かなり高価なもので、もちろん、デモ機で事前に実際に利用もしました。しかし、当時は事実上、日本での導入を検討していたのは我々とあと事業会社1社程度で、もちろん論文等はありませんでした。そこで「Google Scholar」で、「Picus Sonic Tomograph(この機器の正式名称」を入力し、海外の様々な論文やその論文の引用元、関連記事などを読み、様々な情報を得て、導入するかどうかの一つの判断材料としました。  このように、重複になりますが、知っておられる方は既に利用されている「Google Scholar」。知らない方は、まったくご存知では無い「Google Scholar」。ビジネスでのデータ収集や学生さんの論文にも、「Google Scholar」は、極めて便利です。もちろん、誰でも一度、「Google Scholar」で、何でもよいので単語を入力し検索すると思わぬ結果が得られる可能性はかなりあると私は考えます。学問という分野は、そういった未知の世界とも言えるでしょう。  私が米国留学時代、小論文のようなものを毎週、書きましたが、多数の文献が引用されていることが論文の評価の一つとされていました。文系ですので、現時点で明確なことは言えず、理系分野とは違うかもしれませんが、「多くの適切な情報を確認する作業、そこから自らの論理を構築していく作業、そして自分なりの結論を導く作業、この流れが論文というものであり、ひいては、学問の一つの考え」と言えるかもしれません。  ちなみに、「Google Scholar」で獲得した情報をそのままコピーして自らの論文や宿題に出典も書かずに利用することは論外であることは、皆様、ご承知のはず。 (もちろん、ブログの文章をそのままコピーして宿題の一部とすることも論外です。)  学問はともかくも、少なくともビジネスの世界では、「Google Scholar」で多数の情報を獲得し、できる限りの情報を顧客先で披露することやプレゼン資料に利用しても、ほとんど意味はありません。  換言すれば、顧客や商談の中で、相手がどのような情報を欲しいと考えているのかを感じる能力、獲得したいわゆる信頼できる情報を自分なりにいかに加工し、帰属する会社のサービス、競合先のサービスとの違いを明確に打ち出していくスキルなど、極めて奥深い、そして一朝一夕では体得できない「モノ」が存在します。  いずれにせよ、今にして思えば、便利な世の中になったものです。留学時代、周辺の大学図書館すべてを丸一日を要して、文献を探し続けていた状態から、いつでも、どこででも情報を得られる時代になったわけです。  しかし、情報が正しいか、正しくないか、必要なのか、不必要なのか、といったことについては、時間短縮という便利さとはまったく関係の無い事柄であり、常に、選択眼を磨き続けることは、いつの時代も必要であることに変わりは無く、極めて重要なことだと私は考えます。 参考書籍
とっておきの秘技 Google絶妙な検索の秘伝書
シーアンドアール研究所
持丸 浩二郎(著)蒲生 睦男(著)
発売日:2006-01
おすすめ度:4.0
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