ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

自然栽培ひとすじに(木村秋則氏著)


(写真は私が数年間、青森に滞在していた頃の1993年に撮影したもので、木村氏がリンゴへ酢を散布している風景です。)

 木村秋則氏の書籍が下記の通り、まもなく発刊されます。
 (発刊前に書籍を頂戴しましたが、2007年1月20日時点で正式に発刊されました。

自然栽培ひとすじに
自然栽培ひとすじに
木村 秋則

 「木村氏のリンゴ自然栽培の手法」と共に、「米や野菜などへの自然栽培手法のノウハウが詳細に記載」されています。また、「自然栽培実現に至る木村氏の葛藤・苦闘や、彼を囲む様々な人間ドラマが描かれている作品」です。
 さらに、リンゴの最大の病害といえる「フラン病対策」に対する木村氏の悩み・相談がきっかけとなり、「木村氏と共に開発し、日本や米国で木村氏と共に特許取得した「樹木の味方」の裏話や木村氏と私の団欒写真も掲載」されています。
 10年近い間、一つの目標を達成するために、収入が無くとも生き抜いた、生き続けた、そして確信を貫いた一人の人間の生き様は、農業関係の方々だけでなく、人間として参考になる、示唆に富んだ書籍であり、単なる農業関連書籍を超越した内容と言えます。

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自然栽培ひとすじに
自然栽培ひとすじに
木村 秋則

 最後になりますが、木村氏の著書発刊を機に、今から約5年前の2001年9月に、当時、当社が配信しておりましたメルマガに特別に寄稿いただいた木村氏からのメッセージを掲載致します。

以下が木村氏からのメッセージです。自然栽培開始当初、病害虫の発生源とみなされていた木村氏の畑について、木村氏もかなり気にかけておられ、迷惑をかけ ないよう隣接した畑に近い自分のリンゴの樹の枝などを切りつめた結果、結局、これらの樹が枯れてしまったというエピソードが書かれています。
 今年もりんごの季節になりました。
 大雪でスタートし畑では2m程の積雪でしたが、4月末には全て消え「地球も生きている」を実感しました。その後、気温は上がらず太平洋側では低温注意報が出て涼しい夏に終わり、影響が懸念されています。

 一般栽培では肥料、農薬、資材の発展で田畑が農産物生産工場へ変わりつつあり、栽培、各管理から収穫まで指導機関の放送に合わせ効率の良い生産流通が可能になりました。しかし、良品質多収穫追求に走り、作物への愛情が薄れ百姓本来の姿を失いかけているような気がします。

 私事で恥ずかしい過去ですが、長年失敗を繰り返し、財布には一円もなくなった私ですが、私以上にりんごの樹がもっと苦しいだろうと思い、樹一本ずつ「ど うか耐えてくれ」と話掛けて歩きました。周囲から「あのバカ、今度は樹に話している」と言われ、一度、恥ずかしさも有り隣接園近くの樹を省略したのです。 するとどうでしょうか、この省いた樹が全て私の栽培に耐え切れず枯れていきました。一言も話さないりんごの樹をみて自分の勝手、愚かさ、情けなさを痛感し た次第です。 

 皆様にお届けできる「りんご=樹の実」は、決して見た目は良くありませんが、私を理解してくれ、さらには最も厳しい環境を耐えてくれた精いっぱい一年の結晶です。
景気は決して良くありませんが、今年も宜しくお願い致します。   

 ご安心ください、
 当園では全て「自然栽培農法」です。

 肥料、農薬、除草剤、は勿論、堆肥、家畜糞尿 など全く使用しない最も厳しい環境で、りんごが生育しています。
 この意から、りんご:「樹の実」と呼んでいます。
 
 2001年9月 木村秋則

 今でも、木村氏のリンゴを入れる段ボールには、リンゴの病害虫である「葉巻虫」をイラスト化したマークと「樹の実」という文字が大書されています。

 是非とも、木村氏の著作をご覧いただきますようお願い申し上げます。

 サン・アクト株式会社 代表取締役 小島愛一郎

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