ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

万人向けか、それとも1%のサービスを目指すのか

 過日のエントリである「私の人生の目標」で私は次のように書きました。
「我が家族が誇りを持てる父親になること」 少し表現が曖昧かもしれないが、私なりにはもうすっきりとしている。これを私の人生の大きな目標とすればいい。 少なくとも自分の子供が彼ら、彼女らの友人に私のことを紹介する時、あるいは、彼ら、彼女らの友人たちが我が父親のことを紹介する時、胸を張って、誇りを持って、私のことを話すことができるようになる。もちろん妻も同じようになって欲しい。 長女がある程度、世間や社会のことを理解できるまであと10年余。この10年間で、5人の子供、そして妻も胸を張って、誇りを持って、そして、自信を持って、私がしていること、してきたこと、これからしようとすることを誰にでも話すこと、語ることができるような人間になろう。
 この「我が家族が誇りを持てる父親になること」は、繰り返しになりますが、自分の父親がやっていることを誰が見ても誇り高く、胸を張って、私がやっていることを話したとしても誰しもが納得していただけるようになっているということです。極めて難しいことに変わりはありません。もちろん自分自身が納得でき、誇りを持つことができる状態になることが先にあることは言うまでもありません。  この私なりの目標を今月始めに我々の会社にご協力いただいている方に話したところ、「やはり、それが基本ですね。いや、それしかないかもしれませんね」と同意いただきました。換言すれば、「反論すべき点が無い」ということかもしれません。  いずれにせよ、「誇りを持って誰しもが感動できる経営者」にならない限り、この目標は実現しません。  この目標を達成するための選択肢は2つあると私は考えています。もちろんこれらの選択肢以外にもあるでしょう。ただ、私が何とかしなければならないと日々感じている、直面している課題です。それが「万人向けのサービスか1%のサービスか、いずれかどちらかを提供する」ということ。  まだ「世の中に無く、しかし、誰しもがこのサービスやモノを買いたい・使いたい」と思う事業を進めるか、「1億人の1%、いわゆる100万人のユーザーだけでも獲得できるサービスやモノを提供していくか」という2つの選択肢。  最近までは、「万人向け=誰しもが受け入れるサービスを進めたい」ということだけを私は考えていました。しかし、過日の「家族旅行帰宅直後」にお会いした我々の会社に協力いただいている別の方に、いろいろと話をしたところ、「100万人のユーザーを獲得できるサービスの提供も一つの考え方ですよ」というアドバイスを。「もちろん、100万人のユーザー獲得も一筋縄では無理ですけどね」という言葉と共に。  毎日、ほぼ誰しもが消費するサービスやモノ。生活や仕事に密着しているサービスやモノは考えればきりが無いほど多く存在します。あとは価格や利便性などの差別化で勝負しかありません。もし、既存のサービスやモノの延長線上の事業を進めるとすればです。ただ、私は延長線にある事業はしたくありません。しかし、毎日、消費される、大多数が使うサービスやモノというビジネスモデルは非常な魅力があります。  反面、1億人の1%である100万人のユーザーだけが夢中になっていただけるサービスやモノにも魅力があります。上述したように100万人のユーザー獲得は容易ではなく、かつ戦略を一つ間違えれば大きなリスクを負うことにもなります。ただ、単価はともかくも100万人の顧客を常に抱え、ユーザー数を様々な方法で少しずつ増やしていくというビジネスモデルにも非常な魅力を感じます。  いずれにせよ、どちらの方向を選ぶにせよ、「新たなビジネスモデル」を創出しなければならず、その生みの苦しみは同等です。  ただ、どちらの方向で事業を進めるにおいても、「自分だけではなく、我が妻や子供、そして我々の社員、その家族、そしてステイクホルダーそれぞれが、納得し、自信を持つことができる」という根幹を土台にしなければなりません。  この重要な点を忘れ、規模拡大や利便性、スピードだけに目を向け、知らぬ間に企業戦略が間違った方向に突き進んでしまうことだけは、決して避けなければならないと私は考えます。 起業家ブログ:このリンクか、下記バナーを是非ともクリック下さい。