ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

主体的に行動することで選択肢が広がる

主体的な行動による決断こそ失敗しても自信につながる  過去に何度かエントリしましたが、私は仕事だけでなく人生においても「自ら主体的に道を切り開く」ことが重要と書いてきました。主体的に決断した結果が間違いであったとしても、誰かに言われて、やらざるを得なくなった結果が招いた失敗とでは雲泥の差がある、失敗した後の迅速な軌道修正も主体的な自らの決断であれば連続性があるとも言えるでしょう。  過去のエントリである「他者を変えるためには、まず自らが変わらなければならない」で私は次のように書いています。  (引用部分が途中からとなっていますので、必要な方は「過去のエントリ」をご覧下さい)
 また、第三者、例えば競合相手や取引先、お客様といった周りの環境・意向等に左右され、そこから決断や決定を下すという習慣で行動していれば、「間違った私の決断は第三者が悪いのだ」と考えてしまいます。しかし、現実として、そのような思いを持つことや吐露することも許されません。  結局、上述したように常に周囲の環境や感情から少し距離を置いて、「自分の心のフィルター」を通して、何事も決断することが最も合理的ではないかと私は考えます。誰に左右されるわけでもなく、どんな環境に左右されることもなく、自分自身で判断したこと。判断が結果として間違っていたとしても、「判断した瞬間には、自分にとしては正しいという確信が確実に存在」します。この点が重要なのです。何度も繰り返すようですが、第三者や事柄に左右された決断よりも自ら確信を持った決断の方が、結果はともかくも自信につながっていきます。そして失敗を繰り返したとしても、その責任・原因は自分にあるわけで、第三者が悪いと言えない、という点も非常に重要なことです。
少し違った観点からの主体的な意味  私は、政治に関心はありますが、今回のエントリは政治について語るものではありません。ただ、過日、読破した書籍の「あとがき」に書かれた言葉には自分なりに納得できるものがありました。下記、あとがきからの一部引用です。
 小泉首相が目指してきた日米関係とは何か。一言で言えば「日本がやるべきことは主体的にやる。その代わりに、言うべきことも積極的に言う」という関係だろう。 (中略)  その意味で小泉外交が「やるべきことをやる」ことで日米同盟を強化し、「言うべきことを言える」関係を実現した意義は大きい。
外交を喧嘩にした男 小泉外交2000日の真実 外交を喧嘩にした男 小泉外交2000日の真実 読売新聞政治部  過去の日本の総理の外交政策の比較や日米関係・同盟の変化については議論しません。また、小泉首相を評価も議論の対象ではありません。ただ、引用している文章のように「リーダーはやらされるのではなく主体的に実行する。その結果や成果は強固なものとなり、強固だからこそ、信頼関係も生まれ、何事も言える関係になる」という点は、政治に関係なく、何事においても共通して言えることだと私は考えます。そして、「主体的な行動は、相手に必ず言わなければならないことを言えるようになる」という極めて重要な選択肢をもたらすこととなります。 人生観なくして、仕事観は無い  日本のデルコンピュータ法人立ち上げに参画し、その後、デルの社長に就任、そして今年の5月に企業再生を専門とする「リヴァンプの代表パートナーに就任されている浜田宏は「仕事観の前に人生観を持て~リヴァンプ 代表パートナー 浜田 宏 氏 - ポジティブワーカー列伝~だから挑戦し続けられる - nikkeibp.jp」で次のように話されています。以下、インタビュー記事からの一部引用です。
仕事への向き合い方について、若いビジネスパーソンにアドバイスを頂けますか。 浜田 仕事観の前に、しっかりした人生観を持ってほしい。自分が生きていくうえで何が大切なのか、生活の哲学が大事です。例えば、私の基本は家族。どんなに仕事が忙しくても、生活は家族優先です。父親不在の家庭なんて、「ふざけんな」ですよ(笑)。自分の人生の軸がしっかりすれば、自分に足りないものが見えてくる。怖いものがなくなるんです。 自分の人生をこうしたい、家族にはこう生きてほしい、こうやって墓場に入りたい。腹の据わった人生観を持つビジネスパーソンが増えるといいですね。そうすれば、日本はもっとダイナミックな社会になると思う。そんなメッセージを伝えていきたい。ビジネスを通じて、日本をもっと元気にしたいですね。
 私も浜田氏の意見に賛成です。もちろん若いビジネスパーソンへの影響力など私には皆無ですが、「人生観なくして仕事観はあり得ない」ということです。自分の人生の軸、そして座標がしっかりしていれば、浜田氏が言われるように怖いものがなくなります。特に私の場合は、「悩みがなくなる」という経験をしています。  誰にでも「悩み」があります。当たり前のことです。ただ、「ある人にとって「悩み」だと思っていることが第三者から見れば「悩み」には思えないこともあることを認識すべき」です。この点は私にも言えることです。基本的には「悩み」というものは「解決しないもの」です。極論ですが、自分の力だけでは解決しない問題をすべて「悩み」としてとらえるのではなく、単なる「解消すべき問題」として自分なりに受け止めれば、精神的な負担も軽くなると共に、「単なる問題」ととらえることで、逆に解決方法を簡単に見出すことも可能となります。  ここで述べたことは、読んでいただいても理解を得ることは難しいことです。ただ、こういった考え、こういった行動もある、そして、そこまで言うなら一度、自分も試してみよう、少し行動に変化をもたせよう、と思っていただくだけで、違いがわかるかもしれません。行動せずにこの文章を読むだけでは何の変化も無いことと同じです。  ちなみに浜田氏がMBA取得されたビジネススクールは私と一緒の大学です。ただ、ビジネススクールで「人生観や仕事観」などは一切教えられませんでした。当たり前の話です。結局、MBA取得や経営関連の書籍では学ぶことができない、体得することもできないことは、まだまだ多く残っているということです。  できる限り、様々な分野の書籍を読むことや多くの異分野の方々の意見を聞くこと、そして忘れがちになってしまうことですが、若い世代の方々の意見を聞くことも、自分を磨く手段の一つであると私は考えます。  最後になりますが「デルで身につけた経営ノウハウを日本の産業界にお返ししたい~リヴァンプ 代表パートナー 浜田 宏氏 - ポジティブワーカー列伝~だから挑戦し続けられる - nikkeibp.jp」から始まる浜田氏の3回のインタビュー記事もご参考下さい。 起業家ブログ:このリンクか、下記バナーを是非ともクリック下さい。