ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

少しずつ拡大していく我々の商品

 今朝、会社付近の駐車場に車をとめた。駐車場入り口に、大きなトラックが。トラック横に書かれた会社名から造園会社のトラックと判明。

 一応、同業に近い方のトラックということで、近くまで寄ってみると、窓際に我々が開発した商品である剪定後の切口保護剤「樹木の味方」を発見。

 まったく知らない業者さんだが、近畿圏のどこかの代理店から購入されたのだろう。いずれにせよ、見知らぬ業者さんとは言え、我々の商品を購入いただいている。

 そして、駐車場から少し離れた場所で、チェーンソーの音が。恐らく、大きな木を剪定されているのだろう。その後、剪定後の切口にワサビの抗菌作用を利用した「樹木の味方」を塗布されるのだろう。ありがたい話である。

 こうして、我々が関知できないほど、様々な場所で様々な人々が我々の商品を評価いただき、ご購入いただいている。競合商品である農薬系塗布剤よりも約3割程度高価だというのに。

 そういえば、昨日、九州の農家の方からも電話があった。「やっと探していたものをみつけた」という第一声。無農薬で柑橘類の栽培を6年余りされている農家の方。どうしても、剪定切口を保護するために農薬は使えず、アルミホイルで保護したり、コールタールを塗ったりと、根本的な解決ができていなかったため、農薬ではない塗布剤を探し続けられていた。

 ご高齢のため、「ネットで検索する」という手段をもたれず、恐らく息子さんだろうと思うが、ネットで探してもらい、我々の商品「樹木の味方」を見つけられたのだろう。

 最近、毎日のように、こういったお客様から、人数や発注量は別として、お問い合わせやご注文を頂戴している。

 思い起こせば、米国留学後、1年も経たずに単身で青森へ。そして青森でまったく未知の分野のこの商品を開発し、地元で販売していた。英語よりも難しい津軽弁には苦労した。また経営については分かっていたつもりでも、リンゴの栽培などもちろんゼロからの勉強。

 あれからもう10年近くになろうとしている。時代の変化と共に毎日の積み重ねの結果が毎日、目に見える形で結果として現れている。

 きっと今、この瞬間も、誰かが我々の商品をお使いいただいているだろう。そして、これからも、さらに多くの方々にお使いいただくため、日々、少しずつの積み重ねを実行していく。

 ニッチかつ特殊なマーケットの商品として位置づけられているだけでなく、様々な法的な規制もある。しかし、「使って良かった」というお客様の声は、法規制さえも凌駕するのではないかと私は考え、そう願っている。

 偉大な過去の経営の先駆者たちも同じ考えで、邁進された今では珍しくないサービスが当時は画期的なものとして評価され、今も当時のサービスや商品は少しずつビジネスモデルの形を時代と共に変えながらも存在しているのだと私は思う。

 同じことをすればいいのだ。多くの名経営者といわれる先人がやれらた通りにやればいい。間違っていること、悪いことをしているわけではないのだから。そして拡大し続けても間違ったこと、悪いことをしなければよいのだから。

起業家ブログへ