ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

広島の小学生が亡くなったことについて思うこと

広島の小学一年生の女の子が殺されてしまった。それも非常に残念な結果で。

ご両親、関係者、そして彼女の友達など、同じ子供を持つ親として、今、本当につらいお気持ちであると思う。本当に残念である。

もちろん、今までにも様々な事件があった。日本だけでなく世界各地で、今、この瞬間にも事件は発生しているかもしれない。

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約一年程前に、私の近所で脅迫状のようなものが投函された。その後、数週間、登下校時には地元の住民が付き添っていた。また警察の方々も警備にあたってくれていた。

しかし、数週間が限界で、今は普通に子供たちは登下校している。こればかりはどうすることもできない。私の子供の場合、小学校から自宅まで僅か100m程度。しかし、学校が終われば、そのまま外に遊びに行くため、結局、何かが起こる可能性はある。そして、その対策は現時点では何も無く、かつ子供たちが自分の身を自らが守るということも到底、無理な話だ。

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約二年程前に、私は小学校の校長先生に直接、会って、長男の身を守っていただくようお願いしたことがある。また、近くの交番にも同様の依頼をした。社長という私の立場上、小さなトラブルがあり、私自身も身の危険を感じたのだが、子供たちの安全確保については、学校や警察に「お願いする」という手段しか無いのが現実である。お蔭様で、その後、何も無かったが。

本当に「お願いする」という手段しか残っていないのが現実なのだろうか。

過去に校内で起きた残念な事件で、今、学校の門扉は厳重に閉ざされている。また、学校に親が入るためには、両親であることを証明するカードのようなものを提示しなければ入ることができない。このような方法で校内においての安全はある程度、確保されているとは感じている。保育園も同様の対策を講じている。

しかし、校外については、学校側としても限界があることが事実だ。そして、親としても、学校に何らかの手段をこれ以上、お願いすることは無理だと思っている。上述したように、子供たち自身が身を守るなどといったことはもちろん無理な話である。

やはり、何も手段がないのかもしれない。行政や警察にも限界がある。常に恐怖と隣り合わせで生活しているといっても過言ではない。昔のような地域が密着し、子供たちの面倒を地域の人々が相互に補い合うということも今は無理であり、いくら地域が密着しても犯罪は少なからず起きるものだと私は思っている。

しかし、視点を変えると手段は存在していると思う。それは、今回のような事件を引き起こした「犯人」という人間をできる限り、無くしていくということ。罪を犯す人間を無くす方法は様々にあると思う。行政も、企業も、そして地域も何らかの形でアプローチすることが可能と思う。

いつも私が言っているように、我々の会社も、人間環境・社会環境という「エンバイロンメント」の視点で、世の中をできる限り、改善していきたいと、事業を続けている。微力であり、かつ極めて間接的ではあるが、「罪を犯す人間を無くしていく」ことに、僅かばかり貢献しているのかもしれない。

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お蔭様で、今日も無事、子供たちは帰ったようだ。しかし、明日はどうなることか、もちろん分からない。そしてこの現実、恐怖は、子供を持つ親すべてが背負っているもの。

恐らく、今回の事件をきっかけに、子供たちの登下校に対して様々な議論、対策が練られると思う。これに期待しつつ、やはり繰り返しになるが、「罪を犯す人間を無くす」という根本について、議論や対策を行政だけでなく、企業、地域も考え、そして行動に移すことが必要だと思う。

もちろん親であり、企業経営者としての私、そしてこのエントリを読まれた皆様も含めて。