ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

年齢を重ねるということ、そして、年齢と関係無くあること

年を重ねるといっても、私の話が主体ではありません。私は、まだまだ若い、若造です。

さて、いつも会社の帰り道によく寄る酒屋さん。私が帰宅するのは多くが22時頃ですが、その時間帯になっても店を開けてくれています。私がその日の最後のお客さんで、私がビールを買えば店を閉めるといった感じです。

もちろん深夜までオープンしているコンビニで買うこともできるのですが、ちょうど帰り道にあるということと、酒屋さんのおばちゃんとの何気ない会話を楽しんでから、帰宅する方を私は好んでいます。

先週のことですが、この酒屋さんが私が帰宅する時間帯に閉まっていました。ほぼ一週間続けてです。何かおばちゃんにあったのかな、病気でもされたのかなと思い、少々、気になっていました。

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そこで昨晩、夕方にこの酒屋さんの様子を見にわざわざ出かけました。店は開いていました。ほっと一安心すると共に、おばちゃんに先週、早く閉めていた理由をさりげなく聞くことに。

「先週は店が閉まるのが早かったですね」と私。

「いや、実は結婚式が先週、ありまして」とおばちゃん。

ご家族かご親戚なのか、そこまでは聞きませんでしたが、いずれにせよ京都で結婚式があったとのこと。そしてその結婚式でおばちゃんの兄弟・姉妹が全員参加されたとのお話でした。

「いや、でも結婚式は一日で終わったんでしょ、当たり前かもしれませんが。」と私。

「結婚式のあとにみんなで旅行に行ってたんですよ。」とおばちゃん。

「おぉ、それで、店が早く閉まってたんですね。」と私。

「えぇ、私の主人は遅くまで店番するのは嫌いなんで」とおばちゃん。

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いろいろと話を進めていると、おばちゃんが、旅行に行った最大の目的は、

観光ではなく

結婚式という滅多に無い機会に、

いつ今度、会えるかわからない兄弟・姉妹と最後に旅行をしたかった

ということだそうです。

おばちゃんはもう、60歳半ば。そして末娘だそうです。換言すればご兄弟・姉妹は、もっと高齢の方ばかり。おばちゃん曰く、「この年齢になったら、いつ兄弟に会えるか、もう会えないかもしれない」ということを考える年になるとのことでした。

言われてみればそうかもしれません。しかし言われなければ、私自身は考えもしなかったことでもあります。人間というものは、医学の発達などに関係無く、ある程度の時期を迎えると「死」というものを感じるということなのでしょうか。もちろん高齢になっても、まったく感じない方もおられるのかもしれません。

私はまだまだ、「死」というものを考えたことも無ければ、その年齢にも達していないと思っています。恐らく世間、大半の方々が30代・40代で、他の様々な意味合い・背景で「死」を感じられることはあるとしても、おばちゃんの言うような意味での「死」を感じる、考えることはほとんど無いと思います。

ただ、なぜか昨日のおばちゃんとの会話で、「年齢を重ねること」とは私が思っている以上に、重い・深い意味合いがあるのだなと考えさせられました。換言すれば年齢を重ねて、初めて感じる、思うことがあるということでしょう。

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さて、話は変えて、「年齢に関係無くあるかもしれないこと」。

数週間前のことです。一通のメールが到着しました。数年前に、とあることで出会った他の企業の方で、その後は仕事に関係無く、友人としてお互い交友を続けさせていただいており、年齢もほぼ私と同じくらいの方です。

メールには、「近々に京都に行くから、絶対に会って欲しい」という内容のみでした。私は、「京都に来る日が決まったら、お知らせ下さい」という返信をしました。しかし、それから二週間程、まったくこの方からの返事はありませんでした。

そして、ある日曜日の夜、「昨日から京都に到着しています。今から会えませんか?」という電話が突然、私の携帯電話に入りました。しかし、ちょうどその時間帯は、家族と夕食の最中で、「ちょっと今は無理なので、明日月曜日はどうですか?」と私は返答し、翌日の夕方にお会いすることに。

実際にお会いして彼の話を聞くと、1ヶ月ほど前に「大病を患っていることが判明」したそうです。その後、いろいろとご自身の身の回りの整理をすることに数週間を費やし、やっと京都に来ることができる時間を確保できたとのこと。そして、私と会ってからすぐに新幹線に乗りこみ、翌日に入院予定とのお話でした。

結局、1時間ほどお会いするだけでしたが、この方が最後におっしゃったこと、それは

何で今になって、こんなことになってしまったのか、

そればかり、ここ数週間、考え続けていた

ということでした。

30代前半である程度、「仕事」というものを掴み取り、そして30代後半、40代になって、いわゆる社会人として最高の時期を迎え、それなりの結果を出していく。そんな大切な時期にさしかかった矢先の出来事。今後の仕事人生にも大きく影響します。ご本人だけでなく、私も同じ状況になれば、いろいろと悩むでしょう。また、このような突然の病気といったものは、前兆はあるにせよ、年齢に関係無くあることです。

ほんの1時間という短いあいだでしたが、この方は別れ際に私の顔をじっと見据え、そしてかたい握手を交わし駅へと向かって行かれました。今となっては、このような状況であれば日曜日にじっくりとこの方と話をすれば良かったなと思うと同時に、今後の順調な回復を祈るばかりです。

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さて、最初の「酒屋のおばちゃんの話」、そして「私の友人の突然の大病の話」。どちらにも共通していることは、年齢に関係無く、「何かを体験すること」・「何かで失敗すること」・「当事者になること」でしか感じられない、思うことができないもの、第三者には理解できないことが多いということと、同じことなのかもしれません。

さらに重要なことは、

自分や身近な人間が、人生を左右するほどの

大きな体験・失敗・当事者になった場合、

いかにこれらと対峙していくべきか、

この術(すべ)を持っておくことだと

私は考えます。

紆余曲折がありましたが、今月で私も38歳になります。残り数週間の37歳を終え、38歳を迎える私。

まだまだ、何の術も持ち得ていませんが、今回のお二人の話をふまえ、どんな術を今、持つべきか、どうすれば持つことができるのか、これらを熟慮すべき年齢であることだけは、間違いありません。

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