ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

本当にありがたいことです。

私が通勤する途中で、現場に行くトラックに乗った社員とすれ違い、お互い軽く手を振る。また、駐車場から会社へ行く約100mの道を、「おはようございます」と声をかけ、私を追い越していく社員。

そんないつもの朝。

しかし、昨日は、ありがたい話がありました。

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いつもより、かなり目を輝かせた、ある社員から報告を受けました。

「社長、ちょっといいですか。」

「はい、どうぞ。」

「実は、○○様から・・・」

報告の内容は、いわゆる我々の樹木回復のお客様が当社に資金提供を検討いただいているということでした。金額や実行時期など詳細は書けませんが、このお客様は、ある公的機関に勤務されており、その公的機関の樹木を長年、我々は管理させていただいていました。

公的機関の担当窓口だったこのお客様は、今年で定年。我々との関係は今年度末で無くなってしまうということになります。しかし、我々との関係を断ち切りたくないという思い、そして数年間の我々の仕事振りや理念をご評価いただき今回のような形を検討されたわけです。もちろん、突然のお話です。

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私がどうだということではなく、最も嬉しく思っているのは、きっと、このお客様を今まで担当してきた社員です。長期にわたり、様々な角度から樹木管理の提案を行い続け、信頼関係を築き上げていました。そして、今回、ある意味において、すごい成果を上げたといっても過言ではありません。

現在においても、キャピタルゲインが目的ではなく、いわゆる「我々のお客様」から資金提供を受けております。「がんばれよ」、「こんな会社があっても良いんじゃないか」、そんなお気持ちの方々です。

本当にありがたい話です。

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さて、冒頭の公的機関窓口のお客様。実は私にとっても、我々にとっても重要なお客様です。

詳細は書けませんが、会社設立当初、資本政策上でそれなりのスキームが必要でした。スキームの一つをクリアするためには、「中小企業創造活動促進法(以下、創造法)」という法律に基づき、「研究開発等事業計画の認定」を受けなければなりませんでした。

このスキームを実行しようと決めたのが2001年12月中旬、そしてスキームの締切は2月初旬。2月より以前に京都府事業計画の認定を受けなければなりません。そこで12月中旬から事業計画を作り始めたのですが、創造法は基本的に、研究開発型企業に認定が付与されるもので、いわゆるソフト・プログラム・モノづくりといった分野が認定企業の大半を占めていました。

しかし、ご承知のとおり、我々はモノづくりでもIT関連でもない業態です。また法律に基づく認定のため、研究開発の事業計画も本当に実施できるものでなければならないと同時に計画通りに終了させなければなりません。12月中旬から1月下旬まで、いわゆる年末年始を含め、実質数週間。

まず所定のフォームに基づき、京都府に提出したのが12月の第3週後半。1週間ほどで作成したのですが、翌日、すぐさま京都府の担当者からNGが出てきました、新規性が無いということで。何とか12月末にまでは目途をつけておきたいということから、毎日、徹夜状態で数回、計画を提出しましたが、すべて駄目でした。

私の計画は、「ビジネスモデル」でした。平成7年に、この法律が施行され、運用されてきたわけですが、上述したように、認定企業の大半は新技術など実際に研究開発が必要なもので、認定側も技術系がほとんどでした。過去に「ビジネスモデル」で認定された企業は、京都では1社だけだったそうで、かなりハードルの高いものでした。

時系列でまとめてみると

2001年12月第2週:スキーム実行を自分なりに決定

2001年12月第3週:最初の事業計画提出

2002年1月第3週:事業計画受理最終締切

2002年2月第1週:スキーム締切

となります。実質2週間程度で、スキームそのものの準備も同時並行です。

通常、3~6ヶ月は準備期間が必要なこの認定ですが、京都府の担当者も資本政策のスキームの締切が2月初旬なので、我々の案件を最優先にしていただきました。

何度も事業計画を書き直し、決定したタイトルが「新学習指導要領の開始に向けた継続的な実践型教育カリキュラムの開発」です。当時の新学習指導要領は、総合学習が新しく採り入れられ話題になったわけですが、「必ず教育現場は混乱し、企業などがカリキュラム提供しなければならない」と私なりに考え、このビジネスモデル達成させるために必要な研究開発の計画をつくったわけです。

しかし事業計画をある程度、信頼性の高いものにするには「実績」が必要です。当時は樹木の回復事業だけでしたので、環境教育関連の事業実績は皆無でした。そこで、事業計画を京都府の担当者とやりとりしながらも、このエントリでご紹介した冒頭の公的機関のある方に「パイロット事業」という位置付けで環境教育プログラムを実施させていただきました(冒頭の写真と下の写真が当時の風景です)。

お蔭様で、極めて短期間でしたがやるべきこと、やりたかったことはすべて完了し、2002年1月18日付け受理という形で創造法も認定され、そして、その後の環境教育事業も研究開発計画通り、全国でわずかですが展開させていただきました。今でも思い出しますが、当時は本当に徹夜の連続でした。

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かなり話がそれました。

ただ、あの当時、今回、ご紹介した方が我々に協力いただかなければ、今の我々は存在していなかったとも言えるかもしれません。それほど我々にとって大切な方なのです。

そして、数年後の昨日。

社員にありがたいお話まで頂戴しました。

まもなく打ち合わせに行ってきます。これから会う方も夢を共有できる長いお付き合いをさせていただいている方です。いや、夢を近づけさせる協力をいただける方かもしれません。

もちろん来週早々に、今回、ご紹介した方にもご挨拶に行きます。

人生、何が起きるか本当にわかりません。ただ、軸さえぶれなければ、理念さえ一貫していれば、いつかは夢がかなう、夢を共有できる方が増えていく、このようなことを改めて感じた一日でした。

我々にとっての夢。それは、きれいごとに聞こえるかもしれませんが、「美しい地球を次の世代へ引き継ぎたい」です。

追記:8月5日 23:30

今、打ち合わせ終了し、夢を共有・協力いただけるかもしれない方と様々なお話を頂戴しました。打ち合わせの中でビジネスのヒントも私なりに獲得することができました。

そして、わざわざ遠方から駆けつけていただき、最終電車に間に合ったとのご連絡も先ほど、頂戴しました。

心から御礼申し上げますと共に、明日も、これからも頑張ろうという勇気をさらに与えていただいたことに感謝申し上げます。

ありがとうございました!

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