ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

バイオリズムを考える

昨晩はゲームソフトやモバイル関連コンテンツの企画・開発を主たる事業として展開されている京都の経営者とお会いする機会がありました。ゲームの受注開発では国内トップシェアとのことでゲーム業界の黒子的存在に位置しておられます。

我々の事業はかなり特殊なのですが、何かゲームの企画にでも少し、はまらないかなという僅かな望みだけを持ってお会いしました。しかし、お話しているうちに当初の私の目的とは関係無く、いろいろと創業当時の様子から現在に至るまでの経緯を様々な角度から聞かせていただきました。

今回、お会いした会社は、例えば「A」という事業を展開し、次は「B」だと思い立ち、事業変換すると世間も数ヶ月後に「B」の事業に合致した状況になる、といったことを事業の節目で何度も経験されてきました。例えば、モバイルのコンテンツ事業を開始した数ヶ月後に「iモード」が世の中で爆発的な人気を巻き起こすといったものです。また規制緩和もこの会社の事業を後押ししたとのことでした。

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私はこの方に聞きました。

「どうしてそんなに運が良いのですか」と私。

「よく言う言葉で、『ついている』というのがあるね」とこの方。

「はい、私なんか自動販売機に誰かが忘れたおつりを見つけた時、今日はラッキーな一日になるかも、なんて思ったりします。」

「私は、自分は、ついている人間なんだといつも自覚しているんですよ。」

この方の話はまだ続きます。

「バイオリズムというものがあるね、知っているかい君。」

「はい、何か周期みたいなものですね、上がったり下がったりと。」

トップは紙を出して絵を書き始められました。最初はゼロからスタートし右肩上がりのカーブで頂点に達し、その後下降していく、いわゆるバイオリズムの一つの山。その後、ちょうど正反対のマイナスの形の山を書かれました。皆様、ご理解いただけると思いますが、音の波を描いたようなものです。

「君はこの絵のようにゼロから始まり頂点に達して、マイナスの山を抜けて、またゼロに戻るまでどの程度の期間と思っていますか?」

(要するにバイオリズムの周期を尋ねられたわけです。)

「はぁ、そうですね。私の場合、半年や一年という期間で上下があるのかなと思っています。」

(何においても、一年を基本として、3ヶ月=四半期、半年ベースで物事を考えてしまう悪い癖です。)

私が答えるとこの方は、少し笑いながら、

「私は、バイオリズムの周期を一万年として考えているのです」と話されました。

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要するに、周期が一万年なら、絵に描かれたゼロから頂点に達するバイオリズムのカーブの最も急激に上昇するところ程度で人間の寿命は来てしまいます。死ぬまで「常に人生は右肩上がり」ともいえます。一万年周期なら下るカーブを経験すらできません。

残念ながら、まだ私は「バイオリズム一万年周期説」を語ることができる人間には到底、及びません。しかし物事の違った捉え方、プラスに何にでも考えれば「周期は一万年」なんてことも考えつく、そして実際にそれを人生において具現化させてしまう方が本当におられるのだなとつくづく実感した昨晩の夜でした。

成功された、あるいは成功途上の多くの方は、無意識のうちに「バイオリズム一万年周期説」を実現している方々ばかりなのかもしれません。まずは私も200年周期程度で考えようかなと思います。50歳になって初めてゼロから頂点に辿り着きますので。しかし50歳を過ぎればあとは下降のみというのも困ったものです。ただ何事においてもプラスに考えることは実践できればなと考えています。