ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

花見シーズンを前に

・参考:テングス病・てんぐ巣病・てんぐす病」記事群

学術情報:テングス病の調査報告

・テングス病・てんぐす病・テング巣病調査報告専門家: 京都大学教授を中心とした「NPO法人グリーン・エンバイロンメント理事メンバー

・特許情報: テングス病、てんぐ巣病には、ワサビの抗菌作用を利用した安全な資材である「樹木の味方」(日本・アメリカ・ヨーロッパすべてに特許取得済み)をご利用ください。

・販売先: テングス病だけでなく、各種切口保護や樹木保護剤として「樹木の味方」をこちらの「通販サイト」よりご購入ください。」 

我々の晴舞台の一つであるサクラの開花。

この数週間のために一年間、歯を食いしばって現場でサクラの回復作業をしてきた社員。一年の苦労が報われると共に成果が問われる時期でもあります。

そこで今日は皆様にも参考になる花見の豆知識です。花見のときの話題の一つとして披露いただければとも思います。

花見は余暇・観光対策だった

花見は江戸時代までは、上流階級の遊び的な存在でした。

しかし、八代将軍「徳川吉宗」が、庶民のレジャーとして花見に着目し、江戸近郊数ヵ所にモモやサクラを植樹したことが始まりだと言われています。当時の不景気で気持ちが落ち込んでいた庶民の欲求不満解消ということで庶民のレクリエーションの一つとして花見を広めたわけです。そして、その頃、参拝・観光客を呼び寄せる手段として、寺院・神社も多くの花が咲く樹木を植え始めました。

こうして日本独特の花見文化は誕生したわけです。上流階級から庶民へ広がった理由。それは江戸時代から始まった余暇・観光対策だったのです。この対策が日本人のDNAにしっかりと根付き、今では風物詩とも言われるようになりました。これほど、政策が庶民に根付いた例は、現在も含め今まで花見くらいしかないのかもしれません。

花の魅力

なぜか、花見に行くと何気なくサクラの樹の下で弁当を食べたり、会話がはずんだりします。酒を飲まなくても多くの方に思い当たる経験があると思います。

それほど、花の魅力は我々の心を無意識のうちに開いてくれる効果があります。なぜなのかはわかりません。ただ、サクラだけに限らず、ウメやツバキやユキヤナギなど、花を楽しむ、そして人間と人間の会話を自然に成立させてしまう、コミュニケーションを弾ませる、そんな魅力が花にはあります。

そのためにもご注意いただきたいことがあります。 雑誌やTVの花見特集は、花見の名所紹介といった見る側からの情報が多く、サクラそのものについては、ほとんど触れられていません。 ご紹介する内容は、知っている方は知っている基本的な事柄なのですが、一般の方にはあまり知られていないことかもしれません。ただ、今後、毎年、満開のサクラの花見を楽しむことができるために是非、知っていただきたい情報です。

花見をする際に

1)できる限り、樹木の根元に入らない。

花見客が毎年、数千人訪れる場所などは、人間が踏み固めた圧力で土壌が堅く締まってしまいます。土壌が堅いと樹木の成長に必要な根の成長が阻害されます(これを踏圧被害といいます)。著名な天然記念物の周囲には柵が設置されているのを見かけた方もおられると思いますが、根元付近の侵入防止=踏圧被害防止という意味合いで柵は設置されているのです。

特にサクラは浅根性といって、他の樹木と比較して地表近くに根が張っています。できる限り、根元周辺の土壌を踏まないことが根の成長を阻害しない一歩です。ちなみに根が張っている範囲は樹冠(樹木の枝や葉の茂っている部分)以上ありますので、幹の根元だけでなく、できればサクラの枝や葉が伸びている範囲より外側で花見をしていただければと思います。

2)露出した根を踏まないように注意する。

通常は、根というものはもちろん土の中にあり、細根という根の先端部分にある組織が養分を吸収します。ただ、工事などでコンクリートで根元付近が囲われている場合、根が伸長する場所がなく(根張り空間が無くなる)、根が地表に露出することがあります。できる限り、露出した根も踏まないようにして下さい。満員電車の中で常に足を踏まれている状態と同じです。

3)きれいだからといって花が咲いた枝を折って持ちかえらない。

やってはいけないということで当たり前の話ですが、たまにこういった方がおられます。枝を折る行為そのものにも問題はあるのですが、折った枝の切り口から病原菌が侵入し、サクラ本体を衰退させる原因となります。

サクラはリンゴと同様、バラ科に属します(サクラと同じ属の樹木は何か知っているか?と花見の同僚に聞いてみましょう)。バラ科の樹木は病害虫に弱く、折れた枝・剪定後などの枝の切り口から腐朽菌が侵入し、腐朽が幹にまで達することがあります。是非ともサクラを衰退させる原因になるようなことは避けたいものです。

4)飲みすぎない・ゴミは必ず持ち帰る。 当たり前のことです。

観察・豆知識編

1)花びらの数に注目 花の並び方や集まり状態を「花序」といいます。サクラはウメなどと違って、ひとつの芽から複数の花が出ます。そこで、サクラの近くに寄って、ひとつの芽から出ている花の数がいくつあるか数えてみてください。通常は3~4個ですが、元気なサクラは5~6個ついている場合があります。

サクラの花の数を数えて、「う~ん、これは、満開だが実はあまり元気の無いサクラなんだよねぇ」と物知り顔で言ってみることも良いかもしれません。是非とも、じっくりと観察してみてください。

2)テングス病

実は、私のサイトの検索サイトからのアクセスキーワードで最たるものが「テングス病」・「てんぐ巣病」という単語なのです。それほど、大きな問題となっているサクラ、特にソメイヨシノに多い病気です。

満開の花を咲かせているサクラの枝の一部に花がまったく付いておらず、葉が出ている場合があります。もしその部分の枝が箒(ほうき)状になっていれば、テングス病という病気です。ソメイヨシノの大敵で、強烈な伝染力を持ち、数年後にはサクラを枯らせてしまうほどの威力があります。今、全国でこのテングス病が問題となっています。是非とも、花見の際は、花の付いていないおかしな形の枝がないかチェックしてください。 テングス病の枝を見つけて、「おい、知っているか。あれはサクラにとって大敵の病気なんだぞ」と、これまた物知り顔でどうぞ。

3)陽樹

陽樹とはすべての枝葉に日光があたらないと健全に育たない木を言います。反対は陰樹です。サクラ並木などで、他のサクラと比較してあまり元気がないサクラがあれば、周辺の樹木を観察してください。他の樹木の影で日光があたらないような状態になっていれば、それが衰退の原因です。

これまた一緒に花見に行った方に「おい、なぜあのサクラは元気がないか分かるか?サクラは陽樹といってな。。。」とサクラ豆博士の登場です。

さて、サクラの花見でご理解いただきたいことは、サクラにとって一年で一番、輝いているときということです。難しいかもしれませんが、根元から少し離れた位置で、シートを敷いて宴会をする、根はできる限り踏まないように注意する、むやみに枝を折らない、といった点にご注意下さい。

これらのことを念頭に入れていただくことが、最終的に毎年、満開のサクラを楽しむことができるようになる近道と言えます。そして宴会に夢中になる前に、花びらの数や枝の調子も観察してみてください。いつもとは違った花見になること確実です。

ではこれにて。皆様にとって、良きお花見に今年もなりますように。

 

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