ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

手を挙げることの難しさ

過去にある大手企業と取引をしたことがあるのですが、妙に担当者の方が急いでおられた経験があります。

お話によると、決裁をもらうために、10名程度の上司の方々に書類に捺印してもらわなければならないとこのこと。そして急いでおられる理由は、単純に一人の上司の方が、出張で明日から長期不在のため、何としても今日中に我々との契約を締結しなければということでした。契約事項自体は、かなり後の内容なのですが、「判子が無いと物事が進まない」という世界を改めて垣間見た瞬間でした。換言すれば、判子さえあれば物事が容易に流れていくという不思議な世界でもあります。

過去に我々も、すごい失敗をしました。会議中にアイデアが生まれ、「それはおもしろい、やってみよう」ということで京都一円にイベントに関する新聞広告を出しました。しかし残念ながら反応はゼロ。もちろん二度と同じことはやっていませんが、なぜ反応はゼロだったのかを、その後、詳細に見つめ直すことで、新しい戦略が決まり、次のイベントは大成功したことがあります。