ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

日本人の悪い癖

 私が米国留学時代に驚いたこと。かなり過去の話なので、今の米国の現状とは違うかもしれません。それは、電化製品のラインアップが、日本と比較して非常にシンプルであったということです。今はまったく主流ではありませんが、いわゆる音楽を聴く、録音するための「カセットテープ」。  当時の日本では各社が競って、様々なデザインや薄型カセットを開発したりと、マーケットのニーズを超越していると思われる程の、多種多様なテープが日本では店頭に並んでいました。  しかし、米国では、数種程度の普通の形状のカセットテープだけ、TVや冷蔵庫もシンプルなものばかりでした。反面、スポーツの盛んな米国ではスポーツ製品は多種多様でした。アウトドアグッズも。もちろん当時の米国の家電メーカーの衰退や、米国という多様な人種と、ほぼ同一といってよい日本を比較して考慮すると、いろいろと異論はあるかと思います。  ただ、例えば毎月のように新製品が出ていると思われる携帯電話など、どうも日本のメーカーは自ら首を絞めているように思える時もあります。大ヒット商品は短命に終わるという少なくないであろう事例もあります。    さて、今日、私が言いたいことは、日米のマーケティング事情や、メーカーの比較などではありません。今回のエントリーのタイトル、「日本人の悪い癖」。私なりの考えですが、「日本人は熱しやすく冷めやすい」ということです。少し上述した日米の比較を鑑みるとお分かりいただけるかもしれません。  例えば、平成7年3月の地下鉄サリン事件  実は、当時、私も東京で仕事をしていて、かつ例の地下鉄沿線途上に会社はあったので、同僚に被害は無かったですが、まさしく「紙一重」の状況でした。  例えば、平成7年1月の阪神・淡路大震災  私の米国時代の友人が、ちょうど神戸で自ら会社を立ち上げた直後の出来事でした。彼は、東京に実家があるので、被災数日後、自転車で神戸から大阪の伊丹空港まで走り、飛行機で東京へ戻りました。しかし、立ち上げ直後の仕事は頓挫し、会社復活までには非常に時間を要しました。そして、私も震災から約2ヵ月後程でしたか、電車が開通したので京都から神戸に向かい、彼の仕事の復活の協力をしました。今でも忘れられません。車窓からの風景が。京都から神戸へ向かう、ある箇所から沿線の風景が一変しました。本当にほとんどの家屋が倒壊していました。そして、神戸に到着しましたが、本当に凄まじい光景でした。  そして、過日の新潟の地震  恐らく、私のこの拙いブログをある程度、毎日ご覧いただいている方はご承知のように、私なりにブログにおいて、できる限りのことをしてきました。地下鉄サリン事件で命を落とされた方、まだ後遺症に苦しんでおられる方、阪神・淡路大震災で命を落とされた方、まだ仕事や会社が完全に復活されていない方。このような方々にとっては、「もう過去のことは忘れたい」という当事者の方しか分からない思いをお持ちの方も多くおられるかもしれません。そして、上述したメディアに大きく取り上げられるような事件・事象以外に、様々な形態で、家族を失われた方もおられれば、今も後遺症に悩む方も多数、おられるでしょう。  言い出せば、書き出せば、きりがありません。日航ジャンボ機の墜落なども過去にありました。ヒ素のカレー事件も。そして様々な事件や事象の「当事者」にならない限り、本質は分からず、かつ判断もできず、表現もできないでしょう。  本当は、このようなことを書くとまた、いろいろと嫌がらせのブログ荒らしが想定されるので本当は書きたくないのですが、あえて書きましょう。サリン事件の時は、平成7年5月の教祖逮捕以前まで(その後もありましたが)、TVのワイドショーでは盛んに教団関係者を招き、視聴率を稼ぐのが目的ではないかと思うほど、毎日のように報道していました。そして、それまでのワイドショーのスポンサー広告が、教団関係者が出る頃にはスポット広告で、他の企業のCMが入っていた記憶があります。その後、ワイドショー等に出演した教団関係者は、ほぼすべてが逮捕されています。そして坂本弁護士のビデオテープに関するTBS事件というものもありました。逮捕された人間を、あるいは逮捕されるであろうと予見できた人間を、仰々しく、毎日のようにTVは、垂れ流していたわけです。「被害に遭われた当事者の方々の気持ちなど配慮せず」。ヒ素のカレー事件の際も、メディアは毎日のように報道していました。ご近所の方は大変だったと思います。  さて、そろそろ本題に移りましょう。  多くの日本人は、「上述した事件・事象の当事者でない方は、すっかり、これらのことを忘れておられませんか?」と私は問いたい。そしてメディアの方々は、「取りあえず、あれから何周年という形で毎年、恒例行事のように特集を、過去の事件・事象が形骸化されないように」といったフレーズのもとに。私はメディアの方を批判しているわけではなく、「このようなメディアの状況を甘受している日本人に皆さん、少し異常だと思いませんか」と言いたい。もちろん、追跡取材で長年、上述した事件を追い続けているメディアやルポライターと称する方々はおられるでしょう。しかし、無理な話かもしれませんが、「日本人全体が、もう少しまともになれないのか」と私は問いたい。  このエントリーを見て、お前の「まとも」という定義は何かと問われるのであれば、私の過去の記事をすべてご覧いただければ、ご理解いただけると思います。私も含め、事件・事象の当事者になれば、分かるのかもしれませんが。日本人は、本当に熱しやすく、冷めやすい人種だと、私は最近、極めて感じています。  最後に。  新潟の地震被災された方は、これからが本格的な戦いを迎えられます。そして、その戦いは、数年続くでしょう。あるいは、数十年。ブログ上で無く、実際に新潟の被災者の方にお会いして、私なりに、できる限りのことは今までやってきました。そして、これからもやっていきます。しかし、私一人では限界があります。
行政の方々、大手企業の皆様、そしてマスコミの皆様。特に大手企業の皆様、今一度、上述したすべての事件・事象でつらい思いをされた方々に、大手企業の皆様独自の力でご尽力をお願いいたします。今ある事象について貢献し、CSR報告書に掲載するよりも、息の長い、過去の事象について、それぞれの企業特有のアプローチで貢献されることが本当のCSRであり、企業が存続する意義である
と私は思います。 皆様、かなり、いつものようにコメントしにくい内容ですが、ご意見をいただければと存じます。  「ガ島通信」様の「不謹慎なのかな~?」に、久方ぶりにコメントをさせていただいたので、取り急ぎ、このエントリーについてもトラックバックさせていただきます。「ガ島様」これが、コメントさせていただいた私の一つの本音であり、コメントした要因でもあります。  本当に、どうすれば世の中は良くなるのだろう? 皆さん、もしお子様をお持ちの方、20年後、地球はどうなっているのか、日本はどうなっているのか、本当に危惧されていますでしょうか。今を考えることも大切です。しかし、近い将来を考え、そして今、何をすべきかを考えることの方が、さらに大切であることを少しでも認識していただきたいと思います。  少なくとも今から50年後、いわゆる私の子供たちが恐らく次の子孫を持つで可能性がある時期には、平均気温が今よりも11度上がっている可能性があるわけです。ご承知のように、今年は観測史上2番目に平均気温が高かった年だそうです。原因については、「地球温暖化」を含め、いろいろあるようですが、平均気温がもし11度上がったならば、生態系は壊滅状態になるでしょう。そのためにも、今から個々でできることを、それぞれの考え、そして行動で行うべきではないかと私は思い、かつ行動したいと思います。 関連カテゴリ:「新潟中越地震