ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

プロ野球、署名運動以外の解決策

昨今、問題となっているプロ野球問題。なぜか私のサイトもプロ野球問題のblogで、多くの方から注目いただいています。この場をかりて御礼申し上げます。

さて、経営者=プロ野球オーナー、経営陣から見れば、お客様である署名が集まっても、残念ながらインパクトは、少ないと思います。

様々な時事問題で、署名活動で世論を変える動きがあります。マスコミがその活動を取り上げてブレイクスルーするケースも少なからずあります。

ただ、プロ野球問題、本件については既にマスコミも含め、世間の大きな話題となっています。経営者の立場から見れば、球団が利益を上げていないことが、今回の発端だと思います。例のうるさいオーナーは除外して。

利益を上げる、要するに球団が儲かる仕組みには様々なアプローチがあります。これは、野球に関係無く、ビジネスに共通して言えることです。

少し経営学的アプローチから言いますと、「損益分岐点」・「売上高総利益率」・「固定費削減」がポイントになると思います。

残念ながら、あるいは無責任とも言えますが、推測するに各球団のいわゆるコストの大半を占めているのは、選手の皆様の給料、会社で言うところの人件費だと考えます。

さらに、利益を考えた場合、「売上高総利益率」いわゆる粗利がどれだけとれているかが、ポイントになると思います。

1)損益分岐点

一定の売上(プロ野球ファンからの収入など様々な売上)、どれだけ売上があれば球団は黒字になるかを選手・ファンの皆様に明確にすること。大手企業なら四半期(3ヶ月ごと)に開示しています。要するに現状を定期的に開示することが必要ということです。

最も重要なこと、それは、あとどれだけ売上が上がれば黒字になるかを選手・野球ファンの皆様に開示することです。これによって、ファンの皆様は、球場に訪れる回数は増加し、また選手の方々は、あともう少しで黒字になるので、もっと野球グッズを購買して欲しい、グランドに来て欲しいというメッセージを伝えることができます。

2)売上高総利益率:

いわゆる粗利に該当します。球団としての様々な収入、例えば球団グッズが100円とします。その中でコスト、いわゆる原価が10円なら売上高総利益率は90%、換言すれば1割がコストで9割が利益になります。上記と同様に、定期的に今の粗利はこうなのだということを少なくとも球団は選手には伝えるべきです。これによって、同様に選手からメッセージが野球ファンに対して発することができます。

3)固定費削減:

これは簡単な話です。いわゆる野球選手の報酬を削減することです。選手自らが、報酬10%削減をすることで、かなりの財務内容は向上するはずです。

いろいろと述べましたが、署名運動は、あえて言いますと他力本願です。野球選手の皆様は、自分の給料・年俸を自ら削減することを今から表明すること。自腹を切る、腹をくくる覚悟を見せることが署名運動より先にすべきことです。そして、ファンの方々は、球団の収入に貢献すること。

そのためには、球団は少なくとも3ヶ月ごとに経営状況を選手・ファン・株主に開示することが必要です。

最後に。

どの新聞にもスポーツ欄があります。そしてスポーツ新聞まであります。

新聞に大手企業であるトヨタやNTTだけの毎日の動向を割く紙面などありません。それほどスポーツは恵まれているのです。毎日、新聞で無料で広告してもらっていることと同じです。他の企業は数千万をかけて新聞に広告を出しているというのに、今のままでは、スポーツ欄が無くなる可能性があるという覚悟で、選手・ファン、そして最重要な球団は、再考を願いたいと思います。非難するわけではありませんが、経営という観点から見れば、大手企業、中小企業、そして零細企業からすれば、極めてスポーツ業界は恵まれている現状にあることを再認識していただきたいと思います。

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はっきり言いましてランキングなど私自身どうでも良いとは思っていますが、あまりにもスポーツ業界には「甘え」が見えて残念です。毎日、孤軍奮闘している零細企業の社長として・・・