ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

サン・アクト株式会社というベンチャー企業の社長が語ります。

起業家から見たプロ野球問題

昨今、話題になっているプロ野球問題。例のオーナーの方は、残念ながら論外として、起業し、何とか会社を大きくしたいと考えている「社長」・「経営者」という立場からこの問題を考えてみます。

少し極論になるかもしれません。

「球団」=会社=社長がいるはず。

「球団」=赤字=社長としては何とかしなければならないと必死になって考える。

プロ野球選手」=会社における社員=会社が存続の危機にあるとわかれば必死になって行動する。

社長の気持ちという点では、会社存続のために、あらゆる手段を考えます。その手段の一つが合併という結論に達したのでしょう。財務的にも経営的にも正しいと判断した結果でしょう。

私は社長です。自分の会社が危機に達しているとき合併しか手段が無いと判断すれば、同様の経営判断を下したと思います。

しかし、今のプロ野球問題については、本質的におかしいと思う点が経営者としてみた場合、あります。

1)球団存続のために、社長は本当に必死になって手を尽くしたのか。

2)球団存続の危機にあること、いわゆる社員である選手に説明していたのか。

3)説明していたのなら、社員である選手は、会社の危機にどう対応したのか。

4)大切な取引先・お客様に会社存続の危機について、説明していたのか。

情報収集をしていませんので、断言できませんが、恐らく、上記4点、すべて無かったのではないかと思います。いわゆる会社として見る限り、球団は機能していないのでは無いでしょうか。

会社存続の危機というのは、突然、訪れるものではありません。経営状況悪化はもっと前からわかるものです(当たり前の話です)。

経営状況悪化なら、まずはトップである経営陣の給与カットから始まり、社員の給与カット、固定費の削減、そして取引先=お客様への協力依頼(入場料アップ)など、いろいろと手は打てたはずです。

選手の皆さんも、今まで述べてきたような経営をしている会社の社員ということならストライキはしないでしょう(ストの背景が違うので、これについては間違っているかもしれませんが、スト=職場放棄ではあります)。

さて、一番の問題は、結局、昨今良く言われる「説明責任」というものと、この問題を露呈させたタイミングにあると思います。

球団にとって大切な社員である選手、球団のファン、前にもblogしましたが、球団にもステイクホルダーは存在していると思います。こういった関係者達に常に事実を納得できる形で説明をしてきたかどうかです。

そして、シーズンが始まっている最中、会社で言うところの社員が汗をかいて売上貢献している時の発表。これは社員としては、びっくりどころか、モチベーションは下がり、試合どころではなくなると思います。

今一度、「球団経営」を通常の「会社経営」におきかえて、今後、プロ野球界は再出発していただきたいと思います。スポーツという特殊な要素はあり、選手は技術をみがくことがもちろん優先になりますが、自分の会社を愛していると思います(そうあるべきですし、そうなるように経営陣は努力するべきです)。

そうすれば、選手から、「給与カットしても良いので、球団再建に向けてがんばります」という話が出てくるかもしれません(現実的では無いかもしれませんが、通常の会社ならあり得る話です)。

長嶋さんは巨人を愛していたし、だからこそ、今も野球界のために良かれと思い、病をおしてまで、がんばっておられます。

プロ野球問題、いろいろな要素があって、このblogは、極論、一方向からしか見ていない考えですが、いずれにしても、会社経営をしている人間の一人としては、非常に違和感を感じます。

あの偉そうな方の存在や、自ら難しいしばりをつくっている野球界の仕組みにも問題はあると思いますが。

「異論あり」のコメント来そうですが。

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